CASSHERN Sins -キャシャーン Sins- 第24話(最終回)「巡り咲く花へ」
【ストーリー】
ルナと共にロボットたちに癒しを与える事を選んだブライキング・ボス。だが、彼の中には果たして自分の選択が正しいものなのか、という疑問が消えずにあった。
ルナの下を去ったキャシャーンたち。
リンゴは崖の向こうに一輪の赤い花を見付ける。
リューズは花を育てるようになっていた。沢山の花に囲まれての穏やかな生活。
オージはリンゴのために、花の色を増やすための肥料の研究に没頭していた。
穏やかな生活、しかし今やリューズの身体は自分で動く事すらままならない程に滅びに蝕まれていた。
リューズのために、崖の向こうにあった海で拾ってきた貝殻を拾ってくる。
ずっと海を見ていないというリューズを海に連れて行くキャシャーン。
リンゴはまるで滅びを割れたように生き続けている。
オージはここにきて、どれほどの時間が経過したのか判らない。それほどに楽しい日々を過ごしていた。かつてリンゴを連れて彷徨っていた自分が馬鹿に見えるほど、リンゴのために何かしてやる日々に充実感に満ちあふれていた。その身体は滅びに蝕まれていた。
「私ね。みんなと暮らし始めてから、毎日何か一つは“嬉しい”って思い始めてる。
こんな、初めて。
アナタを殺したりしなくて、本当良かった」
リューズはキャシャーンに支えながら、拾った綺麗な貝殻を握りしめながら微笑む。
オージの仕事場の植木鉢にフレンダーと共に拾ってきた貝殻を置いていくリンゴ。
海の匂いで満たしてあげると語るリンゴ。オージの作った肥料で色んな色の花が咲くのを楽しみにしているリンゴだが、オージはひっそりと息絶えていた。
「ねぇオージ。リンゴは、緑!
キャシャーンは赤も良いかな。
リューズの髪の色もいいかな。
リンゴね、オージにだっこされるのが、一番好き」
滅びを過剰に嫌うようになってきたルナ。
彼女は死の匂いのするものを全て消し去るように語る。
ルナに対してやりすぎだと語るブライキング・ボス。
「私は昔、死を与えなければならなかった。
来る日も来る日も、殺し続けて。
毎晩、私の耳には、呻き声。
生きている者が、死ぬのは不自然だわ。
死は穢れた悪意。
滅ぼさなければ」
「だが、死を滅ぼすのも死だ。
お前は昔と同じように、死をばらまいている」
「今だけです……今が終われば、今度こそ死は世界から消える。
そして、永遠の世界が……」
「ルナ……」
大量の花を育てるリューズとリンゴがやりすぎだというキャシャーンだが、リューズは辺り一面を花でいっぱいにするのだと語る。
満足に立つ事も叶わないリューズは、花に水をやる途中で倒れかけてしまい、キャシャーンは慌てて駆け寄る。
「ダメだ、リューズ。死ぬな!」
「私も……死にたくない」
リューズを抱きかかえながら、嘆き悲しむキャシャーン。
「あのね、毎日何か、一つ嬉しい事があるって言ってたでしょう。
今日はこれ。
死にたくないって思えた事」
リューズはキャシャーンの胸に抱かれながら微笑む。
「私は、ここで生きたんだと思う。
ステキ、だった」
キャシャーンの胸の中でそっと息を引き取るリューズに、キャシャーンが、リンゴが涙を流す。
もうすぐ死が消え、永遠の世界が出来ると口にするルナだが、キャシャーンが来る事を予感していた。
降りしきる雨の中、オージとリューズの墓を作ったキャシャーンは、リンゴをフレンダーと共に墓の前に置いてきて、一人ルナの城へとやってきていた。
彼に立ちはだかるロボット軍団。
キャシャーン襲いかかるロボットたちを次々と粉砕していく。
「死を忘れると……どうして命まで忘れてしまうんだろう」
二人の死に悲しむリンゴに、そう語ったキャシャーン。
「ボクは!」
「死があんなに……早く止めて! キャシャーンが死を連れてくる。
死は嫌い」
「ルナを殺す気か?」
ロボットが逃げ帰り、代わりに城から現れたブライキング・ボス。
もう戦わないという誓いをたてながら、再び戦いへと訪れたキャシャーンと対面した彼は、今更キャシャーンとの戦いに意味などない事は判っていたが、それでも自分が救うと誓って連れてきたロボットたちを背負っているため、キャシャーンとの戦いに赴く。
だが、癒しを受けているロボット軍団の頂点にありながら、彼だけは癒しを受けていなかった。
「俺には、もうこれ以上の答えはみつからねぇ」
帽子を被りキャシャーンとの戦いに挑むブライキング・ボス。その圧倒的なパワーは滅びた肉体でありながらも、キャシャーンを圧倒する。
「キャシャーン。お前もルナも、俺たちが生と死なんてものに手を出したツケなのかもしれねぇ。
そのせいで、世界は歪んじまった。
元に戻るかどうか……神のみぞ知るだ!」
2人の渾身の一撃は、キャシャーンの拳がブライキング・ボスを貫いていた。決意に満ちた表情を浮かべるキャシャーンの姿に、ブライキング・ボスは「ルナだけは殺せ」と声をかける。
「俺の落とし前は、ついたことにさせて……くれ」
立ち去るキャシャーンの背中に語りかけながら、遂に死を迎えたブライキング・ボス。
そして遂にキャシャーンはルナの前へとやってくる。
「生きてる者は、死の匂いがする。
生きているから、愚かで醜い死が訪れる!
どうして! 私は永遠の命を与えたいのに!」
相容れない2人の思い。
ルナはキャシャーンを剣で突き刺す。
「あの時、私たちの血が」
「生と死の血が」
「「混じり合った」」」
「世界が」「世界が」
「「変わった!」」
キャシャーンは、ルナを殺さない。それは彼女を目差して生きようとしている者たちが存在するからであり、それを助けるのがルナの役割だから。
「いいの? 永遠の命を与えても」
「生きられるなら、その方がいいんだ。
ボクに否定なんて出来ない。
ただ!」
「…………!」
「キミが、君たちが死を忘れたら、ボクは戻ってくる」
キャシャーンの影に怯えるルナ。
「キャシャーンは、二度と戻ってこなかった。
キャシャーンは死を知らない者たちの死になった。
そして、私は……
私はたぶん、生きて、そしていつか死ぬ命を持った、最初の」
大きく成長し、2人の墓の前でフレンダーと共に暮らすリンゴ。
頭に嵌めていた鉄の輪は割れて既に外れていた。。
「世界中の命がそうなった時……
会える、キャシャーンに!
キャシャーンに会える時まで、私は生きていく」
花畑の中で、リンゴはキャシャーンが帰ってくる時を待ちわびて生きていた。
終始重たく続いた話。
最後に訪れた2人の死。ここまで滅びというものが見えなかったオージの死。
リューズは死にたくない、と思いながらも無様に藻掻くのではなく、その思いさえも嬉しい事だと喜びながら死んでいく。それは彼女が精一杯生きた証だったのか。
リンゴは滅びが無くなったそれが果たして何故なのか。
滅びの世界で生まれた初めての人間である彼女は何か特別な存在となっていたのか。
ルナを生かしたのは、この世界に「生」を残すためですね。
彼女がいなければ、世界はただ滅びるたけ。
彼女に与えられた生をロボットや人間がどう生きるのか、キャシャーンはそれを見守る道を選択した。
キャシャーンは抑止力となるため、姿を消したのだろう。
見えないからこそより一層、死を忘れてただ命があるという生活を続けた時、キャシャーンという死を運ぶ者が現れるという恐怖をロボットや人間たちに与える。
もし謝った道を進めば、今度こそキャシャーンはルナやロボットたちを滅ぼしに来る。
本当の意味での永遠の命を持つ彼だからこそ、それは現実の物として生きるものたちに降りかかる。
最後まで謎として残ったキャシャーンとルナの変革。
それは2人の血が混じり合った事で起きた突然変異だったわけだ。
ルナはずっと死を与え続けなければならない存在だったからこそ、死を与える者としての道から開放された時、極端に死を嫌うようになってしまったのだな。
しかしなんだかんだで、メインキャラクターたちは、みんなルナの癒しを拒んでいる。
癒しを受けたのはレダぐらい。
そう言えば、キャシャーンって滅びの谷のロボットに、ルナを見付けたら報せに行くとか言ってたんじゃ……
言うまでもなく、この作品のテーマは「生と死」
“生きる”というのはただ死なない事ではない。何かを必死ですること。
精一杯生きる事、それこそが生きるという事なのだろう。
作品としては作画も崩れることなく綺麗で、話も良くできていた。
レビューサイトは少ないものの、個人的にはかなり秀逸。
それほど人気にならなかったのが不思議なぐらいだ。それとも単にレビューが少ないだけで、人気はあったのか。良く判らない。話が重たすぎたのが悪かったのかもしれないが。
声優陣は最近多い素人などを使う事もなく、寧ろ主要キャラクターが少ないという事で出来たのだろうと思われるが、最近のアニメではまず考えられない豪華キャスト。
主人公には実に久しぶりの古谷さんです。第一線で活躍は続けておられるものの、主役はかなり久しぶりとの事。
この面子では森川・宮原ですら若手です。
OP・EDはもちろん、第8話「希望の賛歌」以降挿入歌として使われた「A Path」も良い曲です。
キャシャーン:古谷 徹
リューズ:宮原永海
リンゴ:皆口裕子
オージ:チョー
ルナ:矢島晶子
ディオ:森川智之
レダ:小山茉美
ブライキング・ボス:内海賢二
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リンゴはまるで滅びを割れたように生き続けている。
オージはここにきて、どれほどの時間が経過したのか判らない。それほどに楽しい日々を過ごしていた。かつてリンゴを連れて彷徨っていた自分が馬鹿に見えるほど、リンゴのために何かしてやる日々に充実感に満ちあふれていた。その身体は滅びに蝕まれていた。
「私ね。みんなと暮らし始めてから、毎日何か一つは“嬉しい”って思い始めてる。
こんな、初めて。
アナタを殺したりしなくて、本当良かった」
リューズはキャシャーンに支えながら、拾った綺麗な貝殻を握りしめながら微笑む。
オージの仕事場の植木鉢にフレンダーと共に拾ってきた貝殻を置いていくリンゴ。
海の匂いで満たしてあげると語るリンゴ。オージの作った肥料で色んな色の花が咲くのを楽しみにしているリンゴだが、オージはひっそりと息絶えていた。
「ねぇオージ。リンゴは、緑!
キャシャーンは赤も良いかな。
リューズの髪の色もいいかな。
リンゴね、オージにだっこされるのが、一番好き」
滅びを過剰に嫌うようになってきたルナ。
彼女は死の匂いのするものを全て消し去るように語る。
ルナに対してやりすぎだと語るブライキング・ボス。
「私は昔、死を与えなければならなかった。
来る日も来る日も、殺し続けて。
毎晩、私の耳には、呻き声。
生きている者が、死ぬのは不自然だわ。
死は穢れた悪意。
滅ぼさなければ」
「だが、死を滅ぼすのも死だ。
お前は昔と同じように、死をばらまいている」
「今だけです……今が終われば、今度こそ死は世界から消える。
そして、永遠の世界が……」
「ルナ……」
大量の花を育てるリューズとリンゴがやりすぎだというキャシャーンだが、リューズは辺り一面を花でいっぱいにするのだと語る。
満足に立つ事も叶わないリューズは、花に水をやる途中で倒れかけてしまい、キャシャーンは慌てて駆け寄る。
「ダメだ、リューズ。死ぬな!」
「私も……死にたくない」
リューズを抱きかかえながら、嘆き悲しむキャシャーン。
「あのね、毎日何か、一つ嬉しい事があるって言ってたでしょう。
今日はこれ。
死にたくないって思えた事」
リューズはキャシャーンの胸に抱かれながら微笑む。
「私は、ここで生きたんだと思う。
ステキ、だった」
キャシャーンの胸の中でそっと息を引き取るリューズに、キャシャーンが、リンゴが涙を流す。
もうすぐ死が消え、永遠の世界が出来ると口にするルナだが、キャシャーンが来る事を予感していた。
降りしきる雨の中、オージとリューズの墓を作ったキャシャーンは、リンゴをフレンダーと共に墓の前に置いてきて、一人ルナの城へとやってきていた。
彼に立ちはだかるロボット軍団。
キャシャーン襲いかかるロボットたちを次々と粉砕していく。
「死を忘れると……どうして命まで忘れてしまうんだろう」
二人の死に悲しむリンゴに、そう語ったキャシャーン。
「ボクは!」
「死があんなに……早く止めて! キャシャーンが死を連れてくる。
死は嫌い」
「ルナを殺す気か?」
ロボットが逃げ帰り、代わりに城から現れたブライキング・ボス。
もう戦わないという誓いをたてながら、再び戦いへと訪れたキャシャーンと対面した彼は、今更キャシャーンとの戦いに意味などない事は判っていたが、それでも自分が救うと誓って連れてきたロボットたちを背負っているため、キャシャーンとの戦いに赴く。
だが、癒しを受けているロボット軍団の頂点にありながら、彼だけは癒しを受けていなかった。
「俺には、もうこれ以上の答えはみつからねぇ」
帽子を被りキャシャーンとの戦いに挑むブライキング・ボス。その圧倒的なパワーは滅びた肉体でありながらも、キャシャーンを圧倒する。
「キャシャーン。お前もルナも、俺たちが生と死なんてものに手を出したツケなのかもしれねぇ。
そのせいで、世界は歪んじまった。
元に戻るかどうか……神のみぞ知るだ!」
2人の渾身の一撃は、キャシャーンの拳がブライキング・ボスを貫いていた。決意に満ちた表情を浮かべるキャシャーンの姿に、ブライキング・ボスは「ルナだけは殺せ」と声をかける。
「俺の落とし前は、ついたことにさせて……くれ」
立ち去るキャシャーンの背中に語りかけながら、遂に死を迎えたブライキング・ボス。
そして遂にキャシャーンはルナの前へとやってくる。
「生きてる者は、死の匂いがする。
生きているから、愚かで醜い死が訪れる!
どうして! 私は永遠の命を与えたいのに!」
相容れない2人の思い。
ルナはキャシャーンを剣で突き刺す。
「あの時、私たちの血が」
「生と死の血が」
「「混じり合った」」」
「世界が」「世界が」
「「変わった!」」
キャシャーンは、ルナを殺さない。それは彼女を目差して生きようとしている者たちが存在するからであり、それを助けるのがルナの役割だから。
「いいの? 永遠の命を与えても」
「生きられるなら、その方がいいんだ。
ボクに否定なんて出来ない。
ただ!」
「…………!」
「キミが、君たちが死を忘れたら、ボクは戻ってくる」
キャシャーンの影に怯えるルナ。
「キャシャーンは、二度と戻ってこなかった。
キャシャーンは死を知らない者たちの死になった。
そして、私は……
私はたぶん、生きて、そしていつか死ぬ命を持った、最初の」
大きく成長し、2人の墓の前でフレンダーと共に暮らすリンゴ。
頭に嵌めていた鉄の輪は割れて既に外れていた。。
「世界中の命がそうなった時……
会える、キャシャーンに!
キャシャーンに会える時まで、私は生きていく」
花畑の中で、リンゴはキャシャーンが帰ってくる時を待ちわびて生きていた。
【感想】
そんなわけで遂に最終話です。終始重たく続いた話。
最後に訪れた2人の死。ここまで滅びというものが見えなかったオージの死。
リューズは死にたくない、と思いながらも無様に藻掻くのではなく、その思いさえも嬉しい事だと喜びながら死んでいく。それは彼女が精一杯生きた証だったのか。
リンゴは滅びが無くなったそれが果たして何故なのか。
滅びの世界で生まれた初めての人間である彼女は何か特別な存在となっていたのか。
ルナを生かしたのは、この世界に「生」を残すためですね。
彼女がいなければ、世界はただ滅びるたけ。
彼女に与えられた生をロボットや人間がどう生きるのか、キャシャーンはそれを見守る道を選択した。
キャシャーンは抑止力となるため、姿を消したのだろう。
見えないからこそより一層、死を忘れてただ命があるという生活を続けた時、キャシャーンという死を運ぶ者が現れるという恐怖をロボットや人間たちに与える。
もし謝った道を進めば、今度こそキャシャーンはルナやロボットたちを滅ぼしに来る。
本当の意味での永遠の命を持つ彼だからこそ、それは現実の物として生きるものたちに降りかかる。
最後まで謎として残ったキャシャーンとルナの変革。
それは2人の血が混じり合った事で起きた突然変異だったわけだ。
ルナはずっと死を与え続けなければならない存在だったからこそ、死を与える者としての道から開放された時、極端に死を嫌うようになってしまったのだな。
しかしなんだかんだで、メインキャラクターたちは、みんなルナの癒しを拒んでいる。
癒しを受けたのはレダぐらい。
そう言えば、キャシャーンって滅びの谷のロボットに、ルナを見付けたら報せに行くとか言ってたんじゃ……
言うまでもなく、この作品のテーマは「生と死」
“生きる”というのはただ死なない事ではない。何かを必死ですること。
精一杯生きる事、それこそが生きるという事なのだろう。
作品としては作画も崩れることなく綺麗で、話も良くできていた。
レビューサイトは少ないものの、個人的にはかなり秀逸。
それほど人気にならなかったのが不思議なぐらいだ。それとも単にレビューが少ないだけで、人気はあったのか。良く判らない。話が重たすぎたのが悪かったのかもしれないが。
声優陣は最近多い素人などを使う事もなく、寧ろ主要キャラクターが少ないという事で出来たのだろうと思われるが、最近のアニメではまず考えられない豪華キャスト。
主人公には実に久しぶりの古谷さんです。第一線で活躍は続けておられるものの、主役はかなり久しぶりとの事。
この面子では森川・宮原ですら若手です。
OP・EDはもちろん、第8話「希望の賛歌」以降挿入歌として使われた「A Path」も良い曲です。
キャシャーン:古谷 徹
リューズ:宮原永海
リンゴ:皆口裕子
オージ:チョー
ルナ:矢島晶子
ディオ:森川智之
レダ:小山茉美
ブライキング・ボス:内海賢二


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theme : キャシャーンsins
genre : アニメ・コミック