劇場版 空の境界~未来福音~ レビュー(ネタバレあり)
【ストーリー】
◆1998年8月 01_feline -August, 1998-両儀式と浅上藤乃の戦いから幾日か経ったある日、黒桐幹也は負傷により安静中の式の部屋に一匹の黒猫を預け、その里親を探しに遠出する。
黒猫はただ、じっと幹也の帰りを待つ。幹也に頼まれた妹の黒桐鮮花は猫の餌を届けにやってくるが、彼女はこの黒猫が式に似ていると感じる。
そんな中、式は藤乃との戦いで失って付けられた左腕の義手に痛みを感じていた。
製作者である蒼崎橙子に相談を持ちかけるも、橙子はそれは式という個体が完成しすぎていることから感じる拒否感であり、我慢するしかないと答える。
幹也が戻るまでの数日だけ黒猫の世話をすればいいのだと思う式だが、幹也が戻ってきたのは1週間後だった。
あまりに遅かった幹也に不機嫌な式に、黒猫の里親を見つけてきたという幹也。
式は黒猫は幹也といたいと思っていると告げるも、幹也は猫は強くてすぐに新しい里親に慣れると笑う。だが、式は猫を舐めるな、と怒りを見せる。
◆1998年10月 02_daylight -October, 1998-
礼園女学院の生徒・宮月理々栖は、巫条霧絵の事件によってビルから投身自殺した友人・安藤由子のお見舞いをしていた。
自殺の原因は不明とされているが、彼女は自殺は自分である絶望していた。
自殺現場を訪れた宮月の前に、同じ学校の生徒である浅上藤乃が現れる。
ある「事故」に巻き込まれて視力の殆どを失ったという彼女は、礼園女学院では「連続殺人鬼」の犯人ではないかという噂で有名だった。
宮月は世間は穢れており、安藤由子に一緒に死のうと仄めかした。
だがある事から由子に裏切られたと感じ、彼女と喧嘩になってしまう。
彼女が死んだ後、宮月は由子の家庭環境が実家に多額の負債、母の変死、一家離散などあまりにも酷い状況であり、そんな彼女へ死をに誘ったことに深い後悔を覚えていた。
取り残された宮月は自殺を考えるも、橋から河へ身投げして死ぬか、カッターナイフでリストカットするかで悩んでいた。
そんな彼女の前に現れた藤乃は、その方法で確実に死ねないと告げる。
『歪曲』の能力を宮月に見せた藤乃は自分がかつての6人の少年を殺害した殺人鬼であると告げる。6人を殺害した事を苦しんでいるという彼女だが、6人も7人も変わらないと宮月に迫る。恐怖を感じて逃げ出す宮月を妨害した藤乃は、宮月に世界に絶望しないで欲しいと微笑む。
その言葉は宮月が由子に告げられた最後の言葉だった。
実は藤乃も由子から同じ言葉を掛けられたことがあったのだ。当時はその言葉を受け入れられなかったという藤乃だが、世界に希望を持っていた由子の気持ちを無駄にしないように諭すのだった。
◆1998年12月 03_say grace -December, 1998-
大晦日。式と幹也は3年振りに二人で初詣に行くため、神社へ足を運んでいた。
通常なら家族団らんで過ごす黒桐家だが、式と過ごすことを選んだ幹也に、絶望的なショックを受けた鮮花は、怒りながら礼園女学園に戻って学園で藤乃やルームメイトの瀬尾静音と年越しすることを選択する。
幹也は以前式に預けた黒猫の話を始める。
実は黒猫は里親の下から逃げ出し、幹也の下に帰ってきたため、幹也の実家で飼う事になったのだ。
実家へ帰ると、猫なのに何故か自分の顔を舐める黒猫を不思議に感じる幹也に、式はため息を吐く。
◆未来福音 Mobius ring
1998年8月、連続爆弾魔をとあるビルの駐車場へと追い詰めた式だが、彼女がやってくるのを予知していた爆弾魔は、式が駐車場へと現れた親子に意識を奪われた一瞬を狙い爆弾のスイッチを押す。
礼園女学園に通う少女・静音は不本意ながら実家へ帰省する事になってしまうが、彼女は特急電車へ乗るために降りたバス停で一人の男性がトラックに撥ねられて死ぬビジョンを視る。
彼女は未来を視る事ができる能力を持っており、なんとか男性を引き留めようとするも上手くいかない。揉める二人の前に現れたのは幹也だった。静音から話を聞いた幹也は、静音を信じて男性を救う。
幹也は喫茶店アーネンエルベで静音から未来視の能力に関して話を聞くことになるが、奇しくも時同じくして式は未来視と思われる爆弾魔・倉密メルカに命を狙われており、橙子から未来視に関する話を耳にしていた。
橙子によると、未来視には幾つか存在する。
予測タイプは非常に強い記憶力を持ち、視覚で得た全ての情報を下に導き出される可能性の未来を映像として視る能力。
測定タイプは現実の要素を測定し、その数値を埋めることで、自分が視た未来を実現させる能力。
予言タイプは情報無しで相手の未来を当てる。
そして式は第六感でなんとなく感じ取る能力。
倉密メルカは測定タイプの未来視であり、視た結果からそこへ至るための過程を全て視ることで現実にする事が出来た。彼はその能力を使い、依頼を受けて爆弾魔として犠牲者も出さず、捕まることなく、犯行声明を出して爆破を行っていた。
だが、あるビルの爆破のおり、その姿を式に見られたことにより、彼女に顔を見られたかもしれないと考えた彼は、式を邪魔者と感じて命を狙う。
たびたび彼女を狙う爆弾魔の爆弾。
式は橙子のアドバイスで路地裏にいるかつて『観布子の母』と持て囃された未来視の占い師の下へ訪れる。
予言タイプの観布子の母は式について言い当てる。最初は彼女が爆弾魔ではないかと疑っていた式だが、そうではないと知る。
爆弾魔から送られてきた携帯電話についに着信があった。
観布子の母が「鬼門」と告げていた橋で爆破される式だが、彼女は爆発を逃れて、自分を見ていた爆弾魔の居場所を突き止める。
測定タイプの倉密は未来のために爆発現場を見なければいけないという縛りがあったのだ。
ビルの駐車場へと追い詰める式だが、倉密はこの未来も視ており、駐車場で対人地雷を仕掛けて式を待ち受けていた。
そして未来通りに式の命を狙うが、『直死の魔眼』を発動させた式により、視え過ぎた未来は切り裂かれて右目の視力を失う。
自分の力を破られ、右目を失ったメルカの前にやってきた式は、爆弾魔の正体がまだ14歳の少年と知って驚く。
幹也は静音の未来は可能性の一つを視ているだけであり、どんどん視れば良いと薦める。未来は誰にでも視れるものであり静音の力はそれが強いだけなのだと。
幹也に希望をもらった静音は、喫茶店の外で彼を待っていた式が幹也の恋人なのかと感じる。
だが、静音は幹也が式に殺されている未来を目にしてしまい、幹也にこのまま式と共にいればやがて危険が訪れる忠告する。
幹也は忠告を感謝しながら、大切な時に決断が出来なくなってはいけないからと、具体的な話は聞かないこととする。
礼園女学園へ帰った静音は、友人のナオミに幹也への片思いと失恋の話をするが、話を聞いたナオミはそれを「憧れ」だと笑う。
と、そこにやってきたのは編入してきてナオミから学年トップの座を奪い取った鮮花だった。
鮮花を敵視するナオミだが、意に介さない鮮花はルームメイトとなる静音に笑いかける。
◆未来福音・序 Mobius link
2010年8月。
右目の視力を失ったかつて「倉密メルカ」と名乗った爆弾魔は瓶倉光溜は、とある廃ビルで地元の名代の専属興信所を営む傍らで、絵本作家として活動していた。
今から2年前、未来を失ったことでさまざまな失敗をするようになった彼は、とある失敗により借金することになった彼は強面の男たちに捕えられていた。
そんな彼の前に現れたのは、彼らの元締めである地元の名代。そして彼の視力を奪った式だった。
8歳になる娘の両儀未那が彼の絵本『吸血鬼の涙』のファンであったこともあり、式は彼を自分たちの専属探偵として雇用することにし、光溜は元・伽藍の堂で働くことになった。
10歳となった未那は頻繁に訊ねてきていたが、この日も光溜に母親からの仕事の依頼を伝達する。
それは観布子の母と呼ばれた女性の立ち退きだった。
式は世話になったことのある彼女をなるべく穏便に済ませたいと考えて、光溜に立ち退きの交渉を任せたのだ。
好奇心旺盛な未那はついて来てしまう。
同じ未来視として観布子の母と面識のあった光溜は、すっかり落ちぶれた彼女に落胆する。
明るい未来を視ることが出来なくなったという彼女に、光溜はこの町がそんな状態になってしまったのかと感じる。
それでも占う事を辞めようとしない観布子の母は、光溜の説得には耳を貸さずに立ち退こうとはしない。
ひとまず依頼は果たしたという光溜だが、観布子の母を気に入った未那により、観布子の母がこの場で占いを続けられるよう式を説得するという難題に挑むことになる。
式によって未来視の力を失った光溜は、いくつもの失敗を重ねてきたが、彼は右目を失ったことにより人生を生きていた。
1996年1月、残り少ない自由を謳歌するかのように「織」は深夜の街を闊歩していた。
そんな彼に、観布子の母が声を掛けた。
ナイフを手に占いを頼む織に、観布子の母は彼の数奇な未来に驚く。
何をやっても逃れられない死しか存在しない織。
その占い結果に、彼女が本物だと知った織は観布子の母の殺害を思い止まるが、観布子の母はそんな彼の不可思議な未来を告げ、織の未来に希望を抱かせるのだった。
公式サイト:http://www.karanokyoukai.com/miraifukuin/
・キャスト
両儀式(織):坂本真綾
黒桐幹也:鈴村健一
蒼崎橙子:本田貴子
黒桐鮮花:藤村歩
浅上藤乃:能登麻美子
瀬尾静音:井口裕香
倉密メルカ/瓶倉光溜:石田彰
観布子の母:くじら
ナオミ:大西沙織
シスター・アインバッハ:有賀由樹子
宮月理々栖:種田梨沙
両儀未那:金元寿子
上映前にはこれまで通り、オリジナルの劇場案内が流れます。
また、大晦日が終わった時点で、一度エンディングロールが流れるので、人によっては驚くのか、後ろの男は少し驚いていたみたいだ。
これまでの劇場版に比べて上映時間は長いです。
公開劇場も大きくなったみたいなんだけど、21:20と遅い時間帯とはいえ、公開間もない1日の上映で客数が少なかったんだけど大丈夫か?
感動する作品でも、手に汗握る感じでもないかな。
メインとなるのは爆弾魔と未来視のお話。
エピローグ的に要素が強いので、対決シーンもこれまでの作品に比べれば軽め。相手が子供だったのとか、相性の問題で結局はあっさり倒してしまったし。
宮月のエピソードはなんか、『魍魎の匣』を訪仏とさせるよな。
藤乃は視力をほとんど失ってしまっているものの、能力自体は健在。
ただ殺人を犯す事はなくなっているようだ。
相変らず時間軸がバラバラで入り乱れるので、見ていて細切れな印象を受ける。
どうも原作と順番が変わっているせいか、静音のエピソードが描かれる前に、大晦日に登場してしまってる。
式が観布子の母を覚えていなかったのは織の記憶を持っていないからか。
エピローグでは式に子供が出来ていますが、式の苗字は両儀のままなので、幹也が婿養子になったということだろうか。もしくは籍を入れていないのか。
娘の未那は外見的には鮮花に一番近く、近親愛も同じなんだな。当然魔術か何らかの能力を持ち合わせているんだろうけど、詳細は不明。
橙子はやっぱりどこかにいなくなったみたいで、詳しい経緯や時期なんかは不明。
幹也はどうなっているのか不明だけど、生きているのだけは確かのようだ。未那からはパパと呼ばれているけど、ホントに結婚しているのかどうかも判らない。
相変らず無駄にモテまくりの幹也。
式と織、鮮花、藤乃、静音、未那、黒猫、霧絵
鮮花、藤乃、静音なんて友人3人で全員惚れてる状態だよ。
作品とは直接関係ないんだけど、この手のアニメの劇場版で終わったら拍手する人ってたまにいるよね。ぽつぽつで寒い感じからやめた方がいいんじゃないか……そこまで超大作というわけでもないんだし。
個人的評価:75点
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礼園女学院の生徒・宮月理々栖は、巫条霧絵の事件によってビルから投身自殺した友人・安藤由子のお見舞いをしていた。
自殺の原因は不明とされているが、彼女は自殺は自分である絶望していた。
自殺現場を訪れた宮月の前に、同じ学校の生徒である浅上藤乃が現れる。
ある「事故」に巻き込まれて視力の殆どを失ったという彼女は、礼園女学院では「連続殺人鬼」の犯人ではないかという噂で有名だった。
宮月は世間は穢れており、安藤由子に一緒に死のうと仄めかした。
だがある事から由子に裏切られたと感じ、彼女と喧嘩になってしまう。
彼女が死んだ後、宮月は由子の家庭環境が実家に多額の負債、母の変死、一家離散などあまりにも酷い状況であり、そんな彼女へ死をに誘ったことに深い後悔を覚えていた。
取り残された宮月は自殺を考えるも、橋から河へ身投げして死ぬか、カッターナイフでリストカットするかで悩んでいた。
そんな彼女の前に現れた藤乃は、その方法で確実に死ねないと告げる。
『歪曲』の能力を宮月に見せた藤乃は自分がかつての6人の少年を殺害した殺人鬼であると告げる。6人を殺害した事を苦しんでいるという彼女だが、6人も7人も変わらないと宮月に迫る。恐怖を感じて逃げ出す宮月を妨害した藤乃は、宮月に世界に絶望しないで欲しいと微笑む。
その言葉は宮月が由子に告げられた最後の言葉だった。
実は藤乃も由子から同じ言葉を掛けられたことがあったのだ。当時はその言葉を受け入れられなかったという藤乃だが、世界に希望を持っていた由子の気持ちを無駄にしないように諭すのだった。
◆1998年12月 03_say grace -December, 1998-
大晦日。式と幹也は3年振りに二人で初詣に行くため、神社へ足を運んでいた。
通常なら家族団らんで過ごす黒桐家だが、式と過ごすことを選んだ幹也に、絶望的なショックを受けた鮮花は、怒りながら礼園女学園に戻って学園で藤乃やルームメイトの瀬尾静音と年越しすることを選択する。
幹也は以前式に預けた黒猫の話を始める。
実は黒猫は里親の下から逃げ出し、幹也の下に帰ってきたため、幹也の実家で飼う事になったのだ。
実家へ帰ると、猫なのに何故か自分の顔を舐める黒猫を不思議に感じる幹也に、式はため息を吐く。
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1998年8月、連続爆弾魔をとあるビルの駐車場へと追い詰めた式だが、彼女がやってくるのを予知していた爆弾魔は、式が駐車場へと現れた親子に意識を奪われた一瞬を狙い爆弾のスイッチを押す。
礼園女学園に通う少女・静音は不本意ながら実家へ帰省する事になってしまうが、彼女は特急電車へ乗るために降りたバス停で一人の男性がトラックに撥ねられて死ぬビジョンを視る。
彼女は未来を視る事ができる能力を持っており、なんとか男性を引き留めようとするも上手くいかない。揉める二人の前に現れたのは幹也だった。静音から話を聞いた幹也は、静音を信じて男性を救う。
幹也は喫茶店アーネンエルベで静音から未来視の能力に関して話を聞くことになるが、奇しくも時同じくして式は未来視と思われる爆弾魔・倉密メルカに命を狙われており、橙子から未来視に関する話を耳にしていた。
橙子によると、未来視には幾つか存在する。
予測タイプは非常に強い記憶力を持ち、視覚で得た全ての情報を下に導き出される可能性の未来を映像として視る能力。
測定タイプは現実の要素を測定し、その数値を埋めることで、自分が視た未来を実現させる能力。
予言タイプは情報無しで相手の未来を当てる。
そして式は第六感でなんとなく感じ取る能力。
倉密メルカは測定タイプの未来視であり、視た結果からそこへ至るための過程を全て視ることで現実にする事が出来た。彼はその能力を使い、依頼を受けて爆弾魔として犠牲者も出さず、捕まることなく、犯行声明を出して爆破を行っていた。
だが、あるビルの爆破のおり、その姿を式に見られたことにより、彼女に顔を見られたかもしれないと考えた彼は、式を邪魔者と感じて命を狙う。
たびたび彼女を狙う爆弾魔の爆弾。
式は橙子のアドバイスで路地裏にいるかつて『観布子の母』と持て囃された未来視の占い師の下へ訪れる。
予言タイプの観布子の母は式について言い当てる。最初は彼女が爆弾魔ではないかと疑っていた式だが、そうではないと知る。
爆弾魔から送られてきた携帯電話についに着信があった。
観布子の母が「鬼門」と告げていた橋で爆破される式だが、彼女は爆発を逃れて、自分を見ていた爆弾魔の居場所を突き止める。
測定タイプの倉密は未来のために爆発現場を見なければいけないという縛りがあったのだ。
ビルの駐車場へと追い詰める式だが、倉密はこの未来も視ており、駐車場で対人地雷を仕掛けて式を待ち受けていた。
そして未来通りに式の命を狙うが、『直死の魔眼』を発動させた式により、視え過ぎた未来は切り裂かれて右目の視力を失う。
自分の力を破られ、右目を失ったメルカの前にやってきた式は、爆弾魔の正体がまだ14歳の少年と知って驚く。
幹也は静音の未来は可能性の一つを視ているだけであり、どんどん視れば良いと薦める。未来は誰にでも視れるものであり静音の力はそれが強いだけなのだと。
幹也に希望をもらった静音は、喫茶店の外で彼を待っていた式が幹也の恋人なのかと感じる。
だが、静音は幹也が式に殺されている未来を目にしてしまい、幹也にこのまま式と共にいればやがて危険が訪れる忠告する。
幹也は忠告を感謝しながら、大切な時に決断が出来なくなってはいけないからと、具体的な話は聞かないこととする。
礼園女学園へ帰った静音は、友人のナオミに幹也への片思いと失恋の話をするが、話を聞いたナオミはそれを「憧れ」だと笑う。
と、そこにやってきたのは編入してきてナオミから学年トップの座を奪い取った鮮花だった。
鮮花を敵視するナオミだが、意に介さない鮮花はルームメイトとなる静音に笑いかける。
◆未来福音・序 Mobius link
2010年8月。
右目の視力を失ったかつて「倉密メルカ」と名乗った爆弾魔は瓶倉光溜は、とある廃ビルで地元の名代の専属興信所を営む傍らで、絵本作家として活動していた。
今から2年前、未来を失ったことでさまざまな失敗をするようになった彼は、とある失敗により借金することになった彼は強面の男たちに捕えられていた。
そんな彼の前に現れたのは、彼らの元締めである地元の名代。そして彼の視力を奪った式だった。
8歳になる娘の両儀未那が彼の絵本『吸血鬼の涙』のファンであったこともあり、式は彼を自分たちの専属探偵として雇用することにし、光溜は元・伽藍の堂で働くことになった。
10歳となった未那は頻繁に訊ねてきていたが、この日も光溜に母親からの仕事の依頼を伝達する。
それは観布子の母と呼ばれた女性の立ち退きだった。
式は世話になったことのある彼女をなるべく穏便に済ませたいと考えて、光溜に立ち退きの交渉を任せたのだ。
好奇心旺盛な未那はついて来てしまう。
同じ未来視として観布子の母と面識のあった光溜は、すっかり落ちぶれた彼女に落胆する。
明るい未来を視ることが出来なくなったという彼女に、光溜はこの町がそんな状態になってしまったのかと感じる。
それでも占う事を辞めようとしない観布子の母は、光溜の説得には耳を貸さずに立ち退こうとはしない。
ひとまず依頼は果たしたという光溜だが、観布子の母を気に入った未那により、観布子の母がこの場で占いを続けられるよう式を説得するという難題に挑むことになる。
式によって未来視の力を失った光溜は、いくつもの失敗を重ねてきたが、彼は右目を失ったことにより人生を生きていた。
1996年1月、残り少ない自由を謳歌するかのように「織」は深夜の街を闊歩していた。
そんな彼に、観布子の母が声を掛けた。
ナイフを手に占いを頼む織に、観布子の母は彼の数奇な未来に驚く。
何をやっても逃れられない死しか存在しない織。
その占い結果に、彼女が本物だと知った織は観布子の母の殺害を思い止まるが、観布子の母はそんな彼の不可思議な未来を告げ、織の未来に希望を抱かせるのだった。
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・キャスト
両儀式(織):坂本真綾
黒桐幹也:鈴村健一
蒼崎橙子:本田貴子
黒桐鮮花:藤村歩
浅上藤乃:能登麻美子
瀬尾静音:井口裕香
倉密メルカ/瓶倉光溜:石田彰
観布子の母:くじら
ナオミ:大西沙織
シスター・アインバッハ:有賀由樹子
宮月理々栖:種田梨沙
両儀未那:金元寿子
【感想】
空の境界のスピンオフおよびエピローグ的作品。上映前にはこれまで通り、オリジナルの劇場案内が流れます。
また、大晦日が終わった時点で、一度エンディングロールが流れるので、人によっては驚くのか、後ろの男は少し驚いていたみたいだ。
これまでの劇場版に比べて上映時間は長いです。
公開劇場も大きくなったみたいなんだけど、21:20と遅い時間帯とはいえ、公開間もない1日の上映で客数が少なかったんだけど大丈夫か?
感動する作品でも、手に汗握る感じでもないかな。
メインとなるのは爆弾魔と未来視のお話。
エピローグ的に要素が強いので、対決シーンもこれまでの作品に比べれば軽め。相手が子供だったのとか、相性の問題で結局はあっさり倒してしまったし。
宮月のエピソードはなんか、『魍魎の匣』を訪仏とさせるよな。
藤乃は視力をほとんど失ってしまっているものの、能力自体は健在。
ただ殺人を犯す事はなくなっているようだ。
相変らず時間軸がバラバラで入り乱れるので、見ていて細切れな印象を受ける。
どうも原作と順番が変わっているせいか、静音のエピソードが描かれる前に、大晦日に登場してしまってる。
式が観布子の母を覚えていなかったのは織の記憶を持っていないからか。
エピローグでは式に子供が出来ていますが、式の苗字は両儀のままなので、幹也が婿養子になったということだろうか。もしくは籍を入れていないのか。
娘の未那は外見的には鮮花に一番近く、近親愛も同じなんだな。当然魔術か何らかの能力を持ち合わせているんだろうけど、詳細は不明。
橙子はやっぱりどこかにいなくなったみたいで、詳しい経緯や時期なんかは不明。
幹也はどうなっているのか不明だけど、生きているのだけは確かのようだ。未那からはパパと呼ばれているけど、ホントに結婚しているのかどうかも判らない。
相変らず無駄にモテまくりの幹也。
式と織、鮮花、藤乃、静音、未那、黒猫、霧絵
鮮花、藤乃、静音なんて友人3人で全員惚れてる状態だよ。
作品とは直接関係ないんだけど、この手のアニメの劇場版で終わったら拍手する人ってたまにいるよね。ぽつぽつで寒い感じからやめた方がいいんじゃないか……そこまで超大作というわけでもないんだし。
個人的評価:75点


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