〈物語〉シリーズ セカンドシーズン #05 猫物語(白) 第懇話「つばさタイガー其ノ伍」
羽川翼はブラック羽川へ向けて感謝とお願いを手紙へと書き綴る。
「私を助けて下さい」
翼が初めて誰かに頼る。
その相手が自分の中の自分というのがなんとも。
とまれ、今まで誰にも頼れなかった彼女としては大きな一歩なのかもしれない。
苛虎は翼から切り離された新しい怪異。その根源は「嫉妬」
嫉妬とは無縁だった翼。
その始まりは、自分の義理の両親が同じ料理の朝食を食べている姿を目撃した事だった。
家族へと戻ろうとしている二人の姿に嫉妬を覚えた翼は、苛虎を産み出した。
嫉妬の発端は暦に関するものではなく、両親に対するものだったのか。元々はバラバラで別々の食事をしていた両親が、何を切っ掛けにしたのか、和解しようとしていたんだな。そこに娘を含めていないのが歪なままで、今回の一件を生み出したのだろうけど。
「私を助けて下さい」
翼が初めて誰かに頼る。
その相手が自分の中の自分というのがなんとも。
とまれ、今まで誰にも頼れなかった彼女としては大きな一歩なのかもしれない。
苛虎は翼から切り離された新しい怪異。その根源は「嫉妬」
嫉妬とは無縁だった翼。
その始まりは、自分の義理の両親が同じ料理の朝食を食べている姿を目撃した事だった。
家族へと戻ろうとしている二人の姿に嫉妬を覚えた翼は、苛虎を産み出した。
嫉妬の発端は暦に関するものではなく、両親に対するものだったのか。元々はバラバラで別々の食事をしていた両親が、何を切っ掛けにしたのか、和解しようとしていたんだな。そこに娘を含めていないのが歪なままで、今回の一件を生み出したのだろうけど。
翼はストレスや嫉妬、全ての感情を自ら受け入れるん覚悟を決めた。
全てを受け入れた自分は阿良々木暦を失望させてしまう事になる。彼に告白することもなく、1人で恋をして失恋する。
自分たちはいずれ消滅してしまう怪異だと認識しているブラック羽川。
それらを受け入れることは本来必要ない事かもしれないと想いながら、翼に頼まれたブラック羽川はそれを嬉しいと感じる。
そして一筆したため、苛虎の下へと向かう。
嫉妬を始めとする黒い感情の塊として誕生した苛虎。
真っ白な姉を誇らしく感じながらも、それさえもどうでも良く、ただ全てを焼き尽くしたいという感情を抱く苛虎。
戦場ヶ原ひたぎの住む民倉荘を燃やそうとした苛虎の前にやってきたブラック羽川は、共にご主人の下へ戻ろうと告げるも、苛虎はそれを受け入れない。
建物を放火することについてはどうでも良いが、ご主人に害を成す相手は決して許さない。
ひたぎが死ねばご主人が泣くというブラック羽川に、苛虎はそれはないと断言する。翼という人間は泣きたい気持ちも切り離して新たな怪異を産み出す。そして自分は無垢のままで居続けるのだと。
だが、それをブラック羽川は、そして翼は否定する。
翼がひたぎの家を燃やしたいと感じたのは、仲の良い戦場ヶ原父娘に嫉妬したからなのか、それとも暦の彼女であるひたぎへの嫉妬なのか。
今までのように全ての人を愛する事は出来なくなり、頭が悪くなるかもしれないし、泣くかもしれない。真っ白ではなくなり、汚れる役割を他に押しつけるのを止める。
本物ではなく、人物として生きたいと願う。
翼の呼びかけを拒絶する苛虎と対決するブラック羽川。
抱きついてエナジードレインを仕掛けるも、苛虎は全身を燃やして対抗する。
猫のブラック羽川では、苛虎には勝てない。ブラック羽川はそれを自覚しながらも、ご主人に頼まれたから、家族の一員として頼まれたため、そしてひたぎにも頼まれていたため、ブラック羽川は全力で刃向かう。
当然、自宅が狙われることが判っているだろうむひたぎが登場するかと思いきや、登場せず。これは翼とブラック羽川を彼女たちなら必ずなんとかすると信じているからなのかな。
全く歯が立たなかったブラック羽川。彼女が全力で稼げたのは僅か10秒。
彼女の抵抗は無理で無茶で無駄だったと絶望するブラック羽川と翼。
「そんな事はねぇぞ、羽川」
突然飛んできた怪異殺しの大太刀『心渡(こころわたり)』が苛虎を貫いた。
無理で無茶でも、無駄では無かった。
翼たちが必死に抗って稼いだ10秒という時間で、阿良々木暦が駆けつける事が出来た。
ブラック羽川が全く叶わなかった虎を、不意を突いたとはいえ瞬殺。それぞれ相性の問題もあったのかな。
この日の夜までどんな戦いを繰り広げてきたのか、服がボロボロです。スギちゃんよりワイルドになってる。
肉体は不死状態になってるからか、ピンピンしてるけど。
ところで、ここで苛虎との戦いに翼が破れて、もし翼が死んでいたら、彼女から誕生した苛虎という怪異はどうなるのだろうか。消滅してしまうのか、それとも独立した存在として存在し続けるのか。
どうしてここへとやってきたのかという翼に、翼のピンチに駆けつけない筈がないと笑う。
自宅で翼とブラック羽川の手紙を読んだという暦は致命傷を受けた苛虎を、吸収するなら時間がないと抱え上げる。
自分が今までの自分でなくなっても良いのかという問いかける翼だが、暦は馬鹿な事を聞くなと笑う。
「どうなろうと、全部お前だよ。
変わってもお前だ。
安心しろ、そこで変に甘やかしたりしない。
嫌な奴になったら嫌ってやる。
悪い事をしたら怒ってやる
恨まれたら庇ってやる
頭が悪くなったら……まぁ僕が勉強を教えてやるし……
泣いたら、慰めてやる」
優しく頭を撫でる暦に、翼は誰かにこうして欲しかったのだと実感する。
結局、翼は誰にも頼ることが出来ず、誰にも甘えられなかったけど、本当は誰かに包み込んで欲しかったのかな。
美味しいシーンにだけ現れたせいか、何時ものバカっぽさがなくカッコいい阿良々木くん。
暦は元々翼のためなら何でもする、と公言しているしね。それは翼がどんな風に変わろうと変わらないんだろう。
「ねえ、阿良々木くん」
「うん?」
「私は阿良々木くんが大好きだよ
……結婚を前提に私と付き合ってくれないかな」
「そっか……すっげぇ嬉しい。
でもごめん。
僕今、好きな娘いるんだ」
「だよね。知ってる。その娘のこと、私より好き?」
「うん」
はっきりと告白して振られて、傷ついて泣いた翼。
ブラック羽川と苛虎を吸収して、髪の毛がメッシュなった。
フラれるのは承知で告白して、見事に玉砕したバサ姉。きっとGWの、ひたぎと付き合う前であれば喜んで受け入れられたんだろうけどね。
でも敢えてフラれるという工程を踏むのは、彼女が変わるためには必要な儀式だったんだね。
10日ほどが経過して、新しい借家が見付かった。
半分ほどが白髪に変わり、白黒の虎柄となった髪の毛は、毎朝染める事になった。
小さな家だが、翼は両親に頼んで自分の部屋をもらった。
これで家族関係に何か変化が生じるのかどうかは判らないけど、少なくともバサ姉の精神状態には変化がもたらされるんだろう。
帰る家を持たずに彷徨い続け、迷い牛という怪異であった八九寺真宵と出会った。
そうして迷い続けた彼女は迷い続けたおかげで様々な家族を目にする事が出来た。
誰もが当たり前に口にしていた筈の言葉、しかし翼にとっては生まれて初めての言葉を、翼は口にする。
「ただいま」
ようやく帰るべき家が出来た翼。
しかしただいまが家に帰る時ではなく、部屋に入る時というのは、彼女にとって部屋が出来たという事が、本当の意味で帰るべきところが出来たという事を表してるんだな。
今までは家はあっても自分の部屋もなく、彼女にとっては家は帰るところではなかったのだし。
次回 #06 総集編Ⅰ
まだ予告が出てませんが、おそらく次はまよいキョンシーで、時系列としては今回の白猫より前。
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全てを受け入れた自分は阿良々木暦を失望させてしまう事になる。彼に告白することもなく、1人で恋をして失恋する。
自分たちはいずれ消滅してしまう怪異だと認識しているブラック羽川。
それらを受け入れることは本来必要ない事かもしれないと想いながら、翼に頼まれたブラック羽川はそれを嬉しいと感じる。
そして一筆したため、苛虎の下へと向かう。
嫉妬を始めとする黒い感情の塊として誕生した苛虎。
真っ白な姉を誇らしく感じながらも、それさえもどうでも良く、ただ全てを焼き尽くしたいという感情を抱く苛虎。
戦場ヶ原ひたぎの住む民倉荘を燃やそうとした苛虎の前にやってきたブラック羽川は、共にご主人の下へ戻ろうと告げるも、苛虎はそれを受け入れない。
建物を放火することについてはどうでも良いが、ご主人に害を成す相手は決して許さない。
ひたぎが死ねばご主人が泣くというブラック羽川に、苛虎はそれはないと断言する。翼という人間は泣きたい気持ちも切り離して新たな怪異を産み出す。そして自分は無垢のままで居続けるのだと。
だが、それをブラック羽川は、そして翼は否定する。
翼がひたぎの家を燃やしたいと感じたのは、仲の良い戦場ヶ原父娘に嫉妬したからなのか、それとも暦の彼女であるひたぎへの嫉妬なのか。
今までのように全ての人を愛する事は出来なくなり、頭が悪くなるかもしれないし、泣くかもしれない。真っ白ではなくなり、汚れる役割を他に押しつけるのを止める。
本物ではなく、人物として生きたいと願う。
翼の呼びかけを拒絶する苛虎と対決するブラック羽川。
抱きついてエナジードレインを仕掛けるも、苛虎は全身を燃やして対抗する。
猫のブラック羽川では、苛虎には勝てない。ブラック羽川はそれを自覚しながらも、ご主人に頼まれたから、家族の一員として頼まれたため、そしてひたぎにも頼まれていたため、ブラック羽川は全力で刃向かう。
当然、自宅が狙われることが判っているだろうむひたぎが登場するかと思いきや、登場せず。これは翼とブラック羽川を彼女たちなら必ずなんとかすると信じているからなのかな。
全く歯が立たなかったブラック羽川。彼女が全力で稼げたのは僅か10秒。
彼女の抵抗は無理で無茶で無駄だったと絶望するブラック羽川と翼。
「そんな事はねぇぞ、羽川」
突然飛んできた怪異殺しの大太刀『心渡(こころわたり)』が苛虎を貫いた。
無理で無茶でも、無駄では無かった。
翼たちが必死に抗って稼いだ10秒という時間で、阿良々木暦が駆けつける事が出来た。
ブラック羽川が全く叶わなかった虎を、不意を突いたとはいえ瞬殺。それぞれ相性の問題もあったのかな。
この日の夜までどんな戦いを繰り広げてきたのか、服がボロボロです。スギちゃんよりワイルドになってる。
肉体は不死状態になってるからか、ピンピンしてるけど。
ところで、ここで苛虎との戦いに翼が破れて、もし翼が死んでいたら、彼女から誕生した苛虎という怪異はどうなるのだろうか。消滅してしまうのか、それとも独立した存在として存在し続けるのか。
どうしてここへとやってきたのかという翼に、翼のピンチに駆けつけない筈がないと笑う。
自宅で翼とブラック羽川の手紙を読んだという暦は致命傷を受けた苛虎を、吸収するなら時間がないと抱え上げる。
自分が今までの自分でなくなっても良いのかという問いかける翼だが、暦は馬鹿な事を聞くなと笑う。
「どうなろうと、全部お前だよ。
変わってもお前だ。
安心しろ、そこで変に甘やかしたりしない。
嫌な奴になったら嫌ってやる。
悪い事をしたら怒ってやる
恨まれたら庇ってやる
頭が悪くなったら……まぁ僕が勉強を教えてやるし……
泣いたら、慰めてやる」
優しく頭を撫でる暦に、翼は誰かにこうして欲しかったのだと実感する。
結局、翼は誰にも頼ることが出来ず、誰にも甘えられなかったけど、本当は誰かに包み込んで欲しかったのかな。
美味しいシーンにだけ現れたせいか、何時ものバカっぽさがなくカッコいい阿良々木くん。
暦は元々翼のためなら何でもする、と公言しているしね。それは翼がどんな風に変わろうと変わらないんだろう。
「ねえ、阿良々木くん」
「うん?」
「私は阿良々木くんが大好きだよ
……結婚を前提に私と付き合ってくれないかな」
「そっか……すっげぇ嬉しい。
でもごめん。
僕今、好きな娘いるんだ」
「だよね。知ってる。その娘のこと、私より好き?」
「うん」
はっきりと告白して振られて、傷ついて泣いた翼。
ブラック羽川と苛虎を吸収して、髪の毛がメッシュなった。
フラれるのは承知で告白して、見事に玉砕したバサ姉。きっとGWの、ひたぎと付き合う前であれば喜んで受け入れられたんだろうけどね。
でも敢えてフラれるという工程を踏むのは、彼女が変わるためには必要な儀式だったんだね。
10日ほどが経過して、新しい借家が見付かった。
半分ほどが白髪に変わり、白黒の虎柄となった髪の毛は、毎朝染める事になった。
小さな家だが、翼は両親に頼んで自分の部屋をもらった。
これで家族関係に何か変化が生じるのかどうかは判らないけど、少なくともバサ姉の精神状態には変化がもたらされるんだろう。
帰る家を持たずに彷徨い続け、迷い牛という怪異であった八九寺真宵と出会った。
そうして迷い続けた彼女は迷い続けたおかげで様々な家族を目にする事が出来た。
誰もが当たり前に口にしていた筈の言葉、しかし翼にとっては生まれて初めての言葉を、翼は口にする。
「ただいま」
ようやく帰るべき家が出来た翼。
しかしただいまが家に帰る時ではなく、部屋に入る時というのは、彼女にとって部屋が出来たという事が、本当の意味で帰るべきところが出来たという事を表してるんだな。
今までは家はあっても自分の部屋もなく、彼女にとっては家は帰るところではなかったのだし。
次回 #06 総集編Ⅰ
まだ予告が出てませんが、おそらく次はまよいキョンシーで、時系列としては今回の白猫より前。


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