帰宅した歩美は靖彦から聞いた情報を祖母の渋谷アイ子(樹木希林)に伝える。
本当のツナグは祖母のアイ子であり、歩美はアイ子からツナグを引き継ぐために勉強中の身であり、本当に死者と会う事が出来るのか彼も半信半疑だった。
歩美から会う約束を取り付けたという連絡を受けた靖彦は待ち合わせのホテルへと向かう。
一足先にホテルに到着した歩美は、ツルがホテルの部屋で待っていた事で、ツナグの力が本物だったのだと驚く。
ホテルにやってきた靖彦は高級ホテルに呼ばれたことで、更に疑心を深めるも、指定された客室にいたのは間違いなく、靖彦の死んだ母親ツルだった。
驚きながらも土地の権利書のある場所を知りたかったという靖彦だが、ツルは権利書の場所は彼が知っており「話したいことは、他のことでしょう?」と指摘する。
思わず涙をこぼした靖彦は、息子との不和を打ち明けるのだった。
朝を迎えてツルが消え、ロビーで待っていた歩美の下へやってきた靖彦は「母親にそっくりで騙されそうになった」と強がりながらも、名刺を差し出して何かあったら連絡して欲しいと感謝の気持ちを示す。
そんな彼の様子に、歩美はツナグが素晴らしい事だと感じる。
演劇部での講演で主役を目指す美砂だが、親友の奈津が自分と同じ主役に立候補したことに愕然とする。
母親に勧められたのだという奈津と主役を争う事になった美砂は、次第に奈津との関係が離れて行ってしまう。
そうした中、練習を終えた美砂は奈津が部活の仲間に「あたしに勝てるわけがない」と口にしているのを聞いてしまう。
たった一人で主役を目指す美砂だが、主役は奈津に決定してしまい、二人の仲はいよいよ疎遠となってしまった。
その日の帰り、帰宅途中の美砂は通学路にある民家の前で立ち止まる。
そこは以前に水が出しっぱなしになっており、奈津がもし凍ったら危ないと語っていた場所だった。
奈津さえいなければ、そんな黒い感情に捕らわれた美砂は、水道から水を流して帰宅する。
翌日、学校にいた美砂たちに、部活の仲間が美砂が登校中に事故に遭ったと駆け込んでくる。そして奈津はそのまま帰らぬ人となってしまう。
自分が水を出してしまったからではないのか、恐怖心と激しい後悔に苛まれる美砂。
演劇部では奈津に代わって美砂が主役に選ばれる。死んだ奈津も彼女が演じるのを望んでいると仲間から言われるも、美砂はそんなはずがないと否定し、奈津が「あたしには勝てないよ」と語っていたことを口にする。だが、部活仲間は奈津がそんなことを言う筈はないと否定し、美砂の聞き間違いであり本当は「嵐にはかてないよ」と言ったのではないかと指摘する。
ツナグの事を思い出した美砂は、奈津がもし水を出したのが自分だと気付いていて、ツナグを通じて誰かに話したらという恐怖を感じる。
そして自分が先に奈津と会えば、奈津は誰にも話せない筈と、ツナグと連絡をとる。
ツナグとの約束の場所にやってきたのが、クラスメイトの歩美と知って驚く美砂。
歩美は奈津が片思いしていた青年であり、自分も密かに思いを寄せていた相手だったのだ。
歩美に真実を知られまいと、奈津と会う理由を「親友だからちゃんとお別れしたい」と語る奈津。
それから数日後、歩美から奈津が面会を承諾したとの連絡が入る。
恐る恐るホテルの部屋にやってきた美砂は、奈津の姿に声を失う。
他愛無い会話を交わす二人だが、美砂が本当に自分の事を大切な友達と思ってくれていたことを知った奈津は、激しい後悔から真実を語ろうかと迷うも、言えば奈津を苦しめるだけだと思い留まり、ただ泣いて謝る。
朝を前に部屋を去る美砂に、奈津は歩美から伝言を聞いて欲しいと頼む。
ロビーにやってきた奈津は歩美から「道路は凍ってなかったよ」との伝言を聞き、奈津が自分のしたことに気づいていたのだと気付く。
たった一度きりの生者との会える機会を自分と会い、やり直す機会を与えてくれたにも関わらず自分がダメにしてしまった。激しい後悔から慟哭する美砂は奈津の下へ戻ろうとするも、歩美は死者と会えるのは一度きりだと制止する。
そんな彼に、奈津が本当に会いたかったのは自分ではなく歩美だった筈だと、歩美に奈津に会ってきて欲しいと頼むも、朝を迎えてしまう。
真実を伝えられなかった事を後悔して去る美砂。
歩美は美砂が来る前に、部屋で奈津と会った時のことを思い出す。
歩美がツナグと知って驚いていた奈津だが、自分が彼の来ているコートについて語ると、まったく同じことを美砂が歩美に言っていたと聞いてショックを受ける。その言葉は以前、奈津が美砂に話していた内容だったからだ。
ショックを受けた奈津は、歩美に伝言を託した。
そして美砂が伝言について聞いた場合は伝言を伝え、聞かれなかった場合は忘れて欲しいと告げていた。
ツナグによって死者と出会った人の全てが幸福になるわけではない。その事実を知った歩美。
そこに新たな依頼が舞い込む。
功一が7年前に婚約したが、友達と旅行へ行くと言って出掛けたまま戻ってこなかった日向キラリ(桐谷美玲)という女性と会いたいというのだ。
キラリが友達と旅行に行くというのは嘘で、バイト先に提出していた実家の連絡先も全て嘘であり、キラリの行方を捜す術のないまま功一は待ち続けていたのだ。
もし生きていてどこかで幸せに暮らしているのならばそれでもかまわないという功一からの依頼を引き受けた歩美だが、ツナグが見つける事の出来るのは死者のみ。
つまり会わせることが出来た場合は死んでいるということになるのだ。
歩美はかつて優しい両親と共に幸福に暮らしていたが、ある日両親が死んでしまい、両親に引き取られたのだ。
祖父が結婚に反対した事により、駆け落ちして結婚した二人。
しかし両親の葬式の日、親戚たちの噂を耳にする。父が浮気をしておりホテルで女性と二人でいた現場を母に目撃され、逆上されそうになった母に殺されそうになり咄嗟に殺し、自分も自殺したというものだった。
・キャスト
渋谷歩美:松坂桃李
渋谷アイ子:樹木希林
嵐美砂:橋本愛
御園奈津:大野いと
土谷功一:佐藤隆太
日向キラリ:桐谷美玲
畠田靖彦:遠藤憲一
渋谷亮介:別所哲也
渋谷香澄:本上まなみ
御園奈々美:浅田美代子
畠田ツル:八千草薫
秋山定之:仲代達矢
【感想】
辻村深月の同名小説をの平川雄一朗監督が映画化した作品。
てっきりツナグって人間ではないと思っていたんだけど、不思議な力を受け継ぐ一族という設定でした。
主人公の歩美が年老いた祖母のアイ子からツナグを引き継ぐために、ツナグの補佐のようなことを始めるというお話。
美砂が水道を捻った時に見ていた女性の影はなんだっただろうか?
彼女の心が見せた幻だったのか?
そして奈津は何故、美砂が水道を開けたことを知っていたのか。
あの場面を実は見ていたのかな。
不思議だったのが、美砂が携帯に登録した歩美の電話番号を何故か「ツナグ」と入れていたこと。普通に考えたら、連絡しているのは歩美と知っているんだから、彼の名前を入れるんじゃないのかな?
功一はヘタレっぷりが半端ない。
最後、キラリに頼まれて荷物を両親に送るのを宅急便かと思いきや、持参していくとは……住所はあの荷物の中に書いたものがあったからわかったのかな。
キラリはなんでよりによってキラリなんて痛々しいキラキラネームの偽名をつけたのだろうか?
どこかで幸せになっていたら良いとか言いながら、死んでると知った途端に怖くなって逃げ出すとかダメすぎた。
松坂桃李は功一を叱りつけるシーンの演技がイマイチ。
このシーンは劇場予告でも流れていたけど、こんなに演技が下手だったかと思ったほどに棒。全体を通してもここだけ変なんだよな。ま、こーゆー怒鳴る場面とかは演技が難しいんだけど。
個人的評価:75点

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