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輪るピングドラム 18TH STATION「だから私のためにいてほしい」

ピアノが好きだという多蕗桂樹の母はピアニストの父と結婚して多蕗を産み、やがて離婚した。
母はピアノを習う多蕗に才能のある人間が好きだと語り、父は才能が無かったのだと告げた。
そしてやがて作曲家と再婚して弟を産んだ。
多蕗は気付いた。弟が天才である事に。
このままでは自分はいらない子として母に捨てられる、危惧を抱いた多蕗はピアノの練習中にわざと自分の指を鍵盤と蓋の間に挟む事で、指を怪我させてピアノを弾けなくしてしまった。そうすればそのままピアノを続けていれば凄い人間になっていたと思われると、母に思ってもらえると思ったから。
「その日、鳥かごが錆びた。
 だから、鳥は外へ出られなくなったんだ」
多蕗の指にある傷の秘密。
それは彼が自分でわざとピアノを弾けなくしてしまった痕跡だったようだ。

指がダメになってしまったから、ピアノはもう弾けないのだと荻野目苹果に語る多蕗は、「僕達の運命の至る場所」へ向かうと語る。
苹果だけをエレベーターの中に残した多蕗は、自分が何のために生き、何故高倉家に復讐するのかよく見ておくように告げる。
多蕗は高倉冠葉に電話を掛け、高倉陽毬を誘拐したので、父・高倉剣山を連れてくるようにと指示を出す。
剣山がやってくれば、確認するのだと語る多蕗。
「君のお姉さん……
 桃果が、僕に生きることを望んだ、意味をね」
実は冠葉は行方不明となっている剣山たちの居場所を知っていて、多蕗はその事に気付いているという事なのだろうか。あの謎の男たちの下にいるのかな。
それともなんとなく冠葉が知っているような気がしているだけなのか。

ピアノが弾けなくなり、いらない子になって母に捨てられた多蕗。
いらない子どもたちが集められる「子どもプロイラー」に多蕗はいた。
ここで彼らは透明な存在になって、やがて世界から消えてなくなるのだと教えられる。
このプロイラーの羽って、なんか陽毬とマリオが出会った場面でも廻っていたような気がするんだけど記憶違いだろうか。
「帰るわよ!」
そこに現れたのは桃果だった。
「あなたを必要として人の下へ帰るの」
「僕を必要としている人なんていないよ」
「……それは、私」
多蕗が放課後に毎日弾いていたピアノを聞いていたという桃果に、やはりピアノを弾けない自分なんていらない筈だと否定する多蕗。
「そんなの関係ない。
 私が聞いていたのは、あなたの心だもの」
だが完璧じゃなきゃ意味がないのだと、桃果の言葉を受け入れようとしない多蕗。
その時、管理局の人間が現れて、集められた子ども達を粉々に砕いて透明な存在にすると告げる。
これで自分はピアノからは母からも自由になれると、自ら進んで受け入れようとする多蕗を、桃果が必死に押し止める。
彼の事が大好きだから、自分のところへ帰ってくれと告げる。
必死に彼を食い止めようとする桃果は、生きる意味がないという多蕗に、「私のために生きて!」と訴えかけた。
多蕗を助けるために手を怪我してしまった桃果。
「これで私たちはおそろい。
 きっと、そうなる運命だったのよ」
これがただのイメージなのか、それとも実際に起きていたことなのかは判らない。起きていた事だとすると、何故ただの子どもでしかない桃果がこの場所の存在などを探り当てる事が出来たのかという謎が残ったりもするわけですが。

冠葉が必死に駆けつけると、陽毬は古びたゴンドラの上に乗せられていた。
父親の行方を知らないと冠葉が答えると、多蕗は嘘を吐くなとゴンドラのワイヤーの一本を切断して陽毬を落下の危機へと追いやる。
警察を呼ぶと告げる苹果だが、警察を呼ばれて困るのは冠葉の方だった。
冠葉がどのような方法で大金を手にしているのか、多蕗は知っていた。
冠葉は彼らの仕事を手伝って大金を受け取っている様子から、何か人には言えないような後ろ暗い事をしているという事なんだろう。
やはり久宝阿佐美を突き落としたのは冠葉なんだろうけど、何故彼がそんな事をしたのかは判らないままだよな。そうするように依頼されたとしても、彼女を突き落とす男たちの目的が不明だし。

咄嗟に晶馬へ電話を掛けた苹果だが、生憎と留守番電話へ繋がってしまう。
その頃、晶馬は地下鉄に乗って西新宿へ向かっていたが、伝言が残っている事に気付く。
相変わらず、肝心な時に役に立たない子です。
写真を多蕗に渡したのはどうやら渡瀬眞悧のようですが、何故彼がそんな事をしたのか。
陽毬の命を助けたり、彼らを危険に陥れたり、一体何を目的としているのか、未だに掴みきれない。

多蕗は冠葉が剣山が与していた組織の残党と繋がり、彼らから金を受け取っている写真を見せつける。
彼らを指揮しているのが剣山だという多蕗だが、冠葉はこんな写真で何が判るのかと、見当違いであると否定する。
だが、彼の言葉を信じるつもりのない多蕗は、更にワイヤーの一本を切断する。
やはりあの男たちは両親が所属していた組織の人間なんだな。だからあのマークについても冠葉は知っていたのだろう。しかし冠葉は何処であの男たちと知り合ったのだろうか。
彼らの方から冠葉に接触してきたのか、それとも冠葉が何処かで突き止めたのか。

この世で最も愛する者を彼らの両親によって奪われてしまったため、剣山に罰を受けてもらうという多蕗。
桃果は特別な存在であり、彼女がいればこの世で起こるはずだった陰惨で不幸な出来事を多く回避できたはずだと語る。
「桃果は僕達の……
 人類の救世主になるはずだったんだ」
桃果は冠葉の両親が起こした事件を止めようとしていたが、全ての人を救うことは出来ずに桃果は消えてしまった。
多蕗は日記がとうこうではなく、単純に桃果が自分の力で人を救うことが出来たと考えているのかな。しかしこちらは「人類の救世主」とまで来たか。
いずれにしても彼らをそこまで思わせる桃果という少女はただ者ではない。

あくまでも父親の居場所は知らないと言い張る冠葉に対して、更にワイヤーを一本切断した多蕗は、陽毬のために必死となっている冠葉に、父親の罪を子ども達に償わせると宣言する。

苹果からの連絡を受けて必死に建設中のビルへと向かう晶馬。

陽毬を救うために、残された最後のワイヤーを冠葉の手で支えろと言う多蕗。
必死にワイヤーを支える冠葉に、家族だからと言って無理をする事はないのだと告げるが、冠葉は絶対に離さないと告げる。
そんな冠葉の言葉に、桃果の姿を重ねてしまう多蕗。
彼1人の力では当然支えることなんて出来ないので、ペンギン1号が珍しく頑張ってくれている。

桃果が必死に自分を助けてくれたのに、桃果を失った事で生きる目的も失ってしまってダメになった多蕗。
「今ここにいるのは、僕を内側から喰らいつくした、一個のモンスターだ」
力なく苹果に語りかける多蕗。
一瞬、頭に『MONSTER』が思い浮かんでしまった。

手を離してくれと頼む陽毬だが、冠葉は血を流しながらも絶対に離そうとしない。
「もういい、もういいよ。
 私のために、もう頑張らないで。
 ……もう、充分」
陽毬は自分の病気が治らないため、長く生きられない事を承知していた。
「多蕗さん。
 お父さんの罰は私が受けます。
 だから、冠ちゃんと晶ちゃんを許してあげてください」
「……よせ、止めろ」
「ありがとう、冠ちゃん。
 でもこれからは、自分のために生きて」
「嫌だ、そんな……
 止めろぉぉぉぉ!!」
失意の中で声を張り上げる冠葉。
――俺は、お前のために行きたいんだ。
そしてビルを駆け上る晶馬の横を、ゴンドラが落下していく。
陽毬も冠葉が自分のために色々と犠牲にしてきていた事を勘付いていたのだろう。それでも彼の好意を受け入れてきた陽毬は、彼に自由に生きて欲しいと願ったのか。
この状況下では陽毬はこうするだろうと想像が付いたわけですが。

力なく膝を落とす冠葉だが、多蕗が陽毬を抱きかかえていた。
冠葉に陽毬を渡した多蕗は、苹果をエレベーターから解放すると、彼女と入れ替わりでエレベーターに乗って下っていく。
「苹果ちゃん、僕のようになっちゃダメだ」
そしてエレベーターを降りた多蕗は、目の前に現れた人物に力なく笑う。
「君か……」
多蕗は苹果に見させたのは、自分を反面教師として正しく生きて欲しいと思ったからなんだろう。大好きな桃果の妹に、自分と同じような暗い感情で生きるような事をして欲しくなかったのかな。
しかし多蕗はあの状況下でどうやって陽毬を助けたのだろうか? 多蕗も冠葉と同じくビルの上にいた筈で、よほどのスーパーマンでもない限り陽毬を助ける事が出来たとは思えないのだが。元々本気で陽毬を落とすつもりはなく、何か細工を仕掛けていたのかな。

全てが終わったところへ駆けつけた晶馬。
罰は自分が受けたという冠葉の言葉の意味が理解できない。
ボロボロとなった冠葉の手を見て驚く晶馬だが、冠葉は早く陽毬を病院へ連れて行って薬を飲ませるように告げる。
苹果は何も言えずにただ立ち尽くすのみ。
相変わらず晶馬は陽毬のピンチに対して、間に合わないな。もう少し支えきれなくなった冠葉を助けるなどのタイミングで現れるかとも思ったのだが。

時籠ゆりに折角招待したのに、面白い舞台を見逃したと語る多蕗。
「私を利用したわね」
都合が良かったからだという多蕗は、ゆりこそ二人を呼び出して何をするつもりだったのかと問い掛ける。
「所詮、僕らは偽の家族でしかない。
 お互いを利用するだけ」
そんな多蕗の頬をはり倒すゆりだが、多蕗は彼女の前から去っていってしまう。
ゆりは桃果を慕う多蕗と一緒にいるうちに、少なからず好意を抱いていたのかもしれない。多蕗も実際はそうなのかもしれないけど、その気持ちを認めたくないから、わざとこういう言い方をしたのかもしれない。
多蕗は全ての事に決着を付けて、もうこの先出てこないのかな。ゆりとも決別したようだし、仮面夫婦も解消して離婚する事になるのだろうか。

そんな光景を見つめる夏芽真砂子。
エスメラルダは相変わらず薔薇の花を撒いてるし。
「嫌だわ、早くすり潰さないと。
 冠葉、もうあの家には一刻も置いておけないわ!」
日記の半分を強く握りしめる真砂子。
真砂子は冠葉があのままあの家にいればダメになる、と感じ取っているようで、何か策を講じてくるのだろうか。

「どうして……
 何も望んでなんかないじゃないか」
陽毬と冠葉を抱きしめる涙ぐむ晶馬の背中に、苹果がもたれ掛かってくる。
「私は違うよ。
 私は晶馬くんたちの事、嫌いになったりしない。
 悲しいことも、辛いことも、無駄だなんて思わない。
 それが運命なら、きっと意味がある。
 私は受け入れて強くなるよ。
 ……だから!」
晶馬の側にいる事を誓う苹果。
これから苹果が彼らの側でどのような役割を担っていく事になるのか。

エンディングテーマ
「灰色の水曜日」歌:トリプルH

次回 STATION 19

生存戦略、まだ大丈夫だよ。


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黒虎

Author:黒虎
アニメや音楽・映画などの個人的主観に基づいた感想をつらつらと駄文で書き綴っています。

趣味はアニメ・音楽・カラオケ・映画。
大阪在住の関西人。

年中無休で貧乏人です
語学力はサッパリ。記憶力はトリです。感性もイマイチです。故に高尚な表現によるレビューなどは期待出来ません、あしからず。

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