夏目友人帳 参 第十一話「映すもの」
田沼要が割れた銅鏡の欠片を探す妖に取り憑かれてしまい、心配になった夏目貴志は彼の家に泊まり込む事になった。
彼の父の住職は出張で留守。
貴志に今回のように妖に頼まれ毎をするのか、と田沼が問い掛けると、ニャンコ先生が「しょっちゅうだ」と、人が良いから断れずに引き受けている事をバラしてしまう。
たぶんニャンコ先生がばらさなかったら、誤魔化したり、たまに、とか答えていたんだろうね。
その夜、貴志は夢を見た。
田沼に取り憑いている妖の夢。
「もう来ないでくれ」
友である妖に近づかないように告げて去られた妖。
貴志は相手の妖が何かを煩っている事に気付き、銅鏡があれば直してやれるのか問い掛ける。
様々な妖に友の病を治す手段を問うて廻った妖は、とある木の妖からその方法を教えて貰った。
友だから姿を消した妖と、友だから命を掛けて治療方法を手に入れようとした妖。お互いの事を思っての事ですね。
憑依している妖の名前らしきものを呼んでいるけど、なんて呼んでいたのか聞き取れなかった。
彼の父の住職は出張で留守。
貴志に今回のように妖に頼まれ毎をするのか、と田沼が問い掛けると、ニャンコ先生が「しょっちゅうだ」と、人が良いから断れずに引き受けている事をバラしてしまう。
たぶんニャンコ先生がばらさなかったら、誤魔化したり、たまに、とか答えていたんだろうね。
その夜、貴志は夢を見た。
田沼に取り憑いている妖の夢。
「もう来ないでくれ」
友である妖に近づかないように告げて去られた妖。
貴志は相手の妖が何かを煩っている事に気付き、銅鏡があれば直してやれるのか問い掛ける。
様々な妖に友の病を治す手段を問うて廻った妖は、とある木の妖からその方法を教えて貰った。
友だから姿を消した妖と、友だから命を掛けて治療方法を手に入れようとした妖。お互いの事を思っての事ですね。
憑依している妖の名前らしきものを呼んでいるけど、なんて呼んでいたのか聞き取れなかった。
わくらの鏡を守る妖たちは、彼女を吹雪きの中で眠りにつかせようとするも、必死に歩み続けて祠へとたどり着くが、そこに鏡はなかった。
と、夜明けが訪れ、見えなくなった鏡が彼女の前に現れた。
だが戻った妖の前から友の姿は消えてなくなっていた。
それがどれぐらい前の話なのかは不明。妖は時間間隔があやふやだから、ハッキリしないのかな。
と、本堂の方で何かの割れる音がして、貴志と田沼は本堂へと向かう。
窓ガラスが割れており、貴志は黙って廊下を歩き出す。
貴志の見えているものが自分にも見えれば力になれるのに、と考えた田沼に取り憑いている妖が身体を借りている礼にと目を貸すと、割れた窓から転々と足跡が続いていた。
そして貴志を追い掛けた田沼は、金槌の妖がいるのを見つける。
いきなりあんな足跡が見えたらかなりホラーな世界だな。
二人に襲いかかる妖。
窮地に陥る貴志だが、田沼に取り憑いた妖がその力で妖を追い払う。
ニャンコ先生が颯爽登場かと思いきや、田沼がピッコ○大魔王よろしく口から怪光線を放った!?
流石は執念で耐えたとは言え、ニャンコ先生の光を受けても田沼の体から離れなかっただけはあるな。
力を使って倒れた田沼に、貴志は田沼は大切な友人であり、ムチャをさせるなら許さないと憤り、自分に取り憑いて田沼を解放しろと頼む。
だが、妖は妖を見たがったのは田沼自身だと告げる。
「お前はほとんど妖について話さない。
それは話す必要がないからだろう。
優しさからのことだろう。
それを判っていても、やはり話してくれないと、こちらは判らない。
大切な事が判らないまま、隣にいるのも判らないまま……
私の友も話してくれなかった。
話してくれぬまま、重い病に罹ったことを打ち明けられず、私に移さぬよう去ったのだと……
そう、風の噂だけが耳に入ってきた」
知らされぬ事の辛さを語る妖。
貴志は友人だから田沼が守ろうとしているが、その友が心配するという気持ちにまで考えが及んでいない。
妖は田沼に自分を重ねているのでしょうか。相変わらず夏目は自己犠牲精神旺盛だけど、そんな事をすれば田沼を余計に心配させる、という事に考えが及ばないんだろうな。
話してくれてもどうにもならなかったかもしれないが、妖は必死になって友のために、病をはらうと伝わる鏡を見つけた。
後は燈を救うだけなのに、今の妖には田沼に取り憑く力しか出来ないのだと嘆き、もう少しだけ、と訴えかける。
そこにやってきたニャンコ先生。
実はニャンコ先生は金槌の妖の正体を探ろうと様子を見ていたのだが、手助けをする前に田沼に取り憑いた妖が追い払ったのだ。
ニャンコ先生はこんなくだらないことにはいつまでも関わっていられないと、明日で解決させると告げる。
ニャンコ先生は襲われる場面を見ていたのか。
何か曰くのある妖なのかと思いきや、ただのザコっぽい。
貴志が割られたガラスを片づけている間に、ニャンコ先生は田沼をベッドへと運ぶも重たくて文句を並び立てる。
「ダイエットしろ、私のように」て……いや、全くダイエットしているところを見たことがないよ。
斑に戻れば軽く運べそうだけど、今度は身体が大きくなりすぎて家の中を自由に動けないのでダメなのかな。
翌日、多軌透は二人の様子から昨晩何かあった事に気付く。
口から何かを出したという田沼にビックリする多軌は、貴志に家の資料を見て作ったという御守りを差し出す。
もう少し手先が器用になったら良いのにという多軌に、田沼はセンスの問題じゃないのか、とからかうが、多軌は田沼のためにも取り憑かれた人間用の御守りを作っていた。
顔のようなちょっと怖い御守り。
もちろん多軌も2人の事を心配してくれていたんです。
学校の外を1人で探すことになったニャン先生ですが、当人は飲んだくれて他の中級・下級妖たちに探させてました。
手伝わされていた妖たちは強制させられているのか、それとも夏目のためという事で協力しているのか。
学校を探して廻る貴志たちは、鏡の欠片が「光る物に隠れている」という妖の言葉から、鏡に付着している事に気付く。
1人になった田沼は妖にもう一度妖を見れるようにしてもらい、学園にいる小物の妖たちの姿を目にして、貴志の見ている景色を知って驚く。
普段は描写されないけど、力の弱い妖がそんなに学校をうろちょろしていたのか。
貴志の目の痛みを頼りに鏡の欠片を探し貴志たち。
北本篤史に声を掛けられて苦しい言い訳をしたりする田沼達。
鏡だけでなく光る物繋がりでプールの中も探して欠片を集める。
プールで探し物とか、北本とかに見られたらますます不思議がられる光景だよね。
いつもこんな大変な事をしているのか、という田沼に、美味く伝えられていない事を謝る貴志。
と、そこにやってきたニャンコ先生は残りの巨大な鏡の欠片を集めきっていた。
相変わらず田沼には狸呼ばわりされてるし。
夏目たちが学校で集めきったのは8分の1~6分の1ぐらいしかなかったんだね。
「私の実力を持ってすれば、こんな欠片集めなど、砂の中から砂を見つけるぐらいに簡単なことなのだ」
凄い事を言ってるようで空っぽだと笑う田沼達。
実際は探させた妖たちは普通の鏡を持ってきたりと大変だったようだ。
それでも本人は探してないけど。
貴志たちの集めた鏡と一つになり、妖は田沼から離れる。
だが鏡を狙う金槌の妖がまたも襲いかかってくる。咄嗟に妖を守った貴志。
田沼に憑りついていた妖は鏡の力で金槌を持った妖を吹き飛ばす事に成功する。
ニャンコ先生は妖にこれならば病を払う事もでるだろうと告げる。
妖を守って倒れた貴志に慌てて駆け寄る田沼。その背後に妖の姿があった。
妖が離れたから見えてないだろう田沼は、何故夏目が倒れたのか判らないんでしょうね。
「行くのか」
「ああ。
友を捜さねばならない。
そして病を払ってやって、存分に語り合うのだ」
「ああ、見つけられるだろうか。
重い病、ひょっとしたらもうその友人は」
「お前が暗い顔をすることはない、私が捜したいだけなのだ。
どんな結果が待っていても、文句の一つも言ってやらないと、気が済まない……」
そして妖は去っていく。友の病を治して語り合う日が来るのを信じて。
確かにひっそりと死んでいるのかもしれないけど、きっと何処かで生きていると信じたいのかな。それにもしまだ生きていて、捜すのを止めてしまったために友が死んだのなら、それこそ悔やんでも悔やみきれないからね。
無駄かもしれない事をやるのが友達、という事でしょう。
「さらば人の子よ。
心通わす機会があるのなら、怖れぬ事だ。
だが、それはまた難しい事なのだ」
「だからこそ、失敗もするし、得難いものもある」
こうして、『田沼取り憑かれ事件』はなんとか解決した。
田沼は心配してくれた貴志たちには悪いが、貴志の見る世界を見れ、妖とも色々とはなして楽しかったのだと笑う。
貴志は苦労しているのだな、という田沼に、苦労だけじゃないのだと貴志。
そんな貴志に、今回の一件でその気持ちを理解した田沼。
全てではないにしても、田沼は夏目の苦労や、妖と心を通わせる感じを理解して、また一歩近づいたというところでしょう。
次回 第十二話「帰る場所」
風邪を引いて熱を出す貴志。
付いてきてほしいと誰かにと飲まれて、始めての事で嬉しくなるようだが、相手は妖でまた厄介な事に巻き込まれるのか。
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と、夜明けが訪れ、見えなくなった鏡が彼女の前に現れた。
だが戻った妖の前から友の姿は消えてなくなっていた。
それがどれぐらい前の話なのかは不明。妖は時間間隔があやふやだから、ハッキリしないのかな。
と、本堂の方で何かの割れる音がして、貴志と田沼は本堂へと向かう。
窓ガラスが割れており、貴志は黙って廊下を歩き出す。
貴志の見えているものが自分にも見えれば力になれるのに、と考えた田沼に取り憑いている妖が身体を借りている礼にと目を貸すと、割れた窓から転々と足跡が続いていた。
そして貴志を追い掛けた田沼は、金槌の妖がいるのを見つける。
いきなりあんな足跡が見えたらかなりホラーな世界だな。
二人に襲いかかる妖。
窮地に陥る貴志だが、田沼に取り憑いた妖がその力で妖を追い払う。
ニャンコ先生が颯爽登場かと思いきや、田沼がピッコ○大魔王よろしく口から怪光線を放った!?
流石は執念で耐えたとは言え、ニャンコ先生の光を受けても田沼の体から離れなかっただけはあるな。
力を使って倒れた田沼に、貴志は田沼は大切な友人であり、ムチャをさせるなら許さないと憤り、自分に取り憑いて田沼を解放しろと頼む。
だが、妖は妖を見たがったのは田沼自身だと告げる。
「お前はほとんど妖について話さない。
それは話す必要がないからだろう。
優しさからのことだろう。
それを判っていても、やはり話してくれないと、こちらは判らない。
大切な事が判らないまま、隣にいるのも判らないまま……
私の友も話してくれなかった。
話してくれぬまま、重い病に罹ったことを打ち明けられず、私に移さぬよう去ったのだと……
そう、風の噂だけが耳に入ってきた」
知らされぬ事の辛さを語る妖。
貴志は友人だから田沼が守ろうとしているが、その友が心配するという気持ちにまで考えが及んでいない。
妖は田沼に自分を重ねているのでしょうか。相変わらず夏目は自己犠牲精神旺盛だけど、そんな事をすれば田沼を余計に心配させる、という事に考えが及ばないんだろうな。
話してくれてもどうにもならなかったかもしれないが、妖は必死になって友のために、病をはらうと伝わる鏡を見つけた。
後は燈を救うだけなのに、今の妖には田沼に取り憑く力しか出来ないのだと嘆き、もう少しだけ、と訴えかける。
そこにやってきたニャンコ先生。
実はニャンコ先生は金槌の妖の正体を探ろうと様子を見ていたのだが、手助けをする前に田沼に取り憑いた妖が追い払ったのだ。
ニャンコ先生はこんなくだらないことにはいつまでも関わっていられないと、明日で解決させると告げる。
ニャンコ先生は襲われる場面を見ていたのか。
何か曰くのある妖なのかと思いきや、ただのザコっぽい。
貴志が割られたガラスを片づけている間に、ニャンコ先生は田沼をベッドへと運ぶも重たくて文句を並び立てる。
「ダイエットしろ、私のように」て……いや、全くダイエットしているところを見たことがないよ。
斑に戻れば軽く運べそうだけど、今度は身体が大きくなりすぎて家の中を自由に動けないのでダメなのかな。
翌日、多軌透は二人の様子から昨晩何かあった事に気付く。
口から何かを出したという田沼にビックリする多軌は、貴志に家の資料を見て作ったという御守りを差し出す。
もう少し手先が器用になったら良いのにという多軌に、田沼はセンスの問題じゃないのか、とからかうが、多軌は田沼のためにも取り憑かれた人間用の御守りを作っていた。
顔のようなちょっと怖い御守り。
もちろん多軌も2人の事を心配してくれていたんです。
学校の外を1人で探すことになったニャン先生ですが、当人は飲んだくれて他の中級・下級妖たちに探させてました。
手伝わされていた妖たちは強制させられているのか、それとも夏目のためという事で協力しているのか。
学校を探して廻る貴志たちは、鏡の欠片が「光る物に隠れている」という妖の言葉から、鏡に付着している事に気付く。
1人になった田沼は妖にもう一度妖を見れるようにしてもらい、学園にいる小物の妖たちの姿を目にして、貴志の見ている景色を知って驚く。
普段は描写されないけど、力の弱い妖がそんなに学校をうろちょろしていたのか。
貴志の目の痛みを頼りに鏡の欠片を探し貴志たち。
北本篤史に声を掛けられて苦しい言い訳をしたりする田沼達。
鏡だけでなく光る物繋がりでプールの中も探して欠片を集める。
プールで探し物とか、北本とかに見られたらますます不思議がられる光景だよね。
いつもこんな大変な事をしているのか、という田沼に、美味く伝えられていない事を謝る貴志。
と、そこにやってきたニャンコ先生は残りの巨大な鏡の欠片を集めきっていた。
相変わらず田沼には狸呼ばわりされてるし。
夏目たちが学校で集めきったのは8分の1~6分の1ぐらいしかなかったんだね。
「私の実力を持ってすれば、こんな欠片集めなど、砂の中から砂を見つけるぐらいに簡単なことなのだ」
凄い事を言ってるようで空っぽだと笑う田沼達。
実際は探させた妖たちは普通の鏡を持ってきたりと大変だったようだ。
それでも本人は探してないけど。
貴志たちの集めた鏡と一つになり、妖は田沼から離れる。
だが鏡を狙う金槌の妖がまたも襲いかかってくる。咄嗟に妖を守った貴志。
田沼に憑りついていた妖は鏡の力で金槌を持った妖を吹き飛ばす事に成功する。
ニャンコ先生は妖にこれならば病を払う事もでるだろうと告げる。
妖を守って倒れた貴志に慌てて駆け寄る田沼。その背後に妖の姿があった。
妖が離れたから見えてないだろう田沼は、何故夏目が倒れたのか判らないんでしょうね。
「行くのか」
「ああ。
友を捜さねばならない。
そして病を払ってやって、存分に語り合うのだ」
「ああ、見つけられるだろうか。
重い病、ひょっとしたらもうその友人は」
「お前が暗い顔をすることはない、私が捜したいだけなのだ。
どんな結果が待っていても、文句の一つも言ってやらないと、気が済まない……」
そして妖は去っていく。友の病を治して語り合う日が来るのを信じて。
確かにひっそりと死んでいるのかもしれないけど、きっと何処かで生きていると信じたいのかな。それにもしまだ生きていて、捜すのを止めてしまったために友が死んだのなら、それこそ悔やんでも悔やみきれないからね。
無駄かもしれない事をやるのが友達、という事でしょう。
「さらば人の子よ。
心通わす機会があるのなら、怖れぬ事だ。
だが、それはまた難しい事なのだ」
「だからこそ、失敗もするし、得難いものもある」
こうして、『田沼取り憑かれ事件』はなんとか解決した。
田沼は心配してくれた貴志たちには悪いが、貴志の見る世界を見れ、妖とも色々とはなして楽しかったのだと笑う。
貴志は苦労しているのだな、という田沼に、苦労だけじゃないのだと貴志。
そんな貴志に、今回の一件でその気持ちを理解した田沼。
全てではないにしても、田沼は夏目の苦労や、妖と心を通わせる感じを理解して、また一歩近づいたというところでしょう。
次回 第十二話「帰る場所」
風邪を引いて熱を出す貴志。
付いてきてほしいと誰かにと飲まれて、始めての事で嬉しくなるようだが、相手は妖でまた厄介な事に巻き込まれるのか。


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