豆腐小僧 3D レビュー(ネタバレあり)
【ストーリー】
江戸時代、盗みに入った3人組みは墓地へと逃げのびていた。悪い事はしてはいけないと母親から教わっていたという兄弟は弱気になるも、ボスはまるで気にしない。
そんな彼らの前に妖怪たちが現れた。
恐怖で逃げ惑う盗人たちの前に、現れた豆腐小僧。しかし二等身の姿に豆腐を持つ小僧は、恐れさせるどころか逆に笑われてしまった。
ひょうきんな姿に豆腐を手放すと消えてしまう豆腐小僧は、いつも人間や仲間である妖怪たちにも笑われてばかりで怖がらせることが出来ない。
父親でもある妖怪の総大将・見越入道はそんな豆腐小僧を叱りつける。
姉である轆轤首のおろくは豆腐小僧を庇うも、総大将である見越入道は頑なな態度を崩さない。豆腐小僧はそんな父に「大嫌い」だというと、走り去ってしまう。
自分に豆腐をくれたお母さんならきっと自分に優しくしてくれるはずだと、豆腐小僧は一人で母親捜しの旅に出る事にしました。
豆腐小僧の袖に張り付いていた達磨先生は、豆腐小僧の母親はとうに消滅していると思いとどまらせようとするも、聞く耳を持たない。
そんな豆腐小僧の前に、美しい女性が現れた。
豆腐小僧に呼び掛ける女性が母親に違いないと、母親の下へ駆け寄る豆腐小僧ですが、母親は何故か遠ざかっていく。
必死に母を追いかけた豆腐小僧は、暗い御堂の中に閉じ込められてしまった。
実は母親と思ったのは妖怪たちに虐げられている八百八狸たちの総大将・芝居者狸だった。
特別な存在である豆腐小僧を閉じ込めた狸たちは、これで妖怪の時代は終わり自分たち狸が支配する世界となると笑う。
閉じ込められた豆腐小僧と達磨の二人は延々とにらめっこを続けていたが、突然御堂の屋根が破壊されてびっくりして逃げ出した。
二人がお堂から出てみると、そこには見慣れた森はなく見知らぬ町が広がっていた。
どこにも妖怪たちの姿はなく、見慣れぬ物が動いている。
二人は遠くにある高い塔から町の様子を見てみることにした。
移動の途中、豆腐小僧と達磨は豆腐を食べようとした死神と出会う。二人は200年間封印されていて、その間にすっかり世の中は変わってしまっていたのだ。
妖怪を恐れなくなった人間たちには妖怪の姿が見えなくなっていた。
二人がやってきた建物に大勢の人間が集まっていたが、そこでは室田茜が亡き夫の遺志を継いで気象コントロールシステム『SORA』の完成発表を行っていた。これによって人間は自在に天気を操る事が出来るようになるという。だが、彼女を支援する政治家の播磨には芝居者狸がとりついていた。
狸たちが人間の欲望にとりついていたのだ。
人間たちにとりついている狸たちは、豆腐小僧と達磨に妖怪の消えた世界を見て行けと笑う。
茜の娘、室田アイは研究に没頭している母に不満を感じていた。
そんなアイは大人たちには見えなくなっていた妖怪である豆腐小僧と達磨を見る事が出来た。すっかり仲良くなった豆腐小僧はアイの家に招待される。更に生き残っていた妖怪の袖引き小僧とも再会を果たした。
母親捜しをまだ諦めていない豆腐小僧。
アイの持っていた妖怪の絵本の中で、雪女のような美しくて優しそうな妖怪に違いないと想像する。
その夜、アイが眠ってから帰宅した茜。
アイを大切に思う一方で、夫の残した研究を絶対に完成させたいと考えていた。
その夜、『ソラ』の完成で完全に狸による支配が達成されるため、邪魔されたくない芝居者狸は部下の狸たちに豆腐小僧を捕えるように命じる。
しかし702番狸たちはドジを踏んで大失敗してしまった。
そうとも知らない豆腐小僧に、袖引き小僧は豆腐小僧の母親の居場所に心当たりがあるとこっそりと二人で出掛けてしまう。
二人が夜の町を進んでやってきたのは芝居小屋。
豆腐小僧はそこで母親や多くの妖怪と再会を果たすが、母は豆腐小僧に豆腐をよこすように告げる。
目を覚ました達磨は豆腐小僧がいない事に気付いて慌てて追いかける。
ゴミ捨て場でカラスに襲われて大ピンチとなった達磨は猫たちに救われる。その猫たちのボスは猫又の三毛姉さんだった。
三毛姉さんの部下である猫の一匹が豆腐小僧と袖引き小僧を目撃していたため、二人は豆腐小僧の下へ向かう。
豆腐小僧から豆腐を奪おうとする母親や、差し出せと告げる妖怪たち。
そこに駆け付けた三毛姉さんは、母の正体が芝居者狸だと指摘する。
騙されていた事を知った豆腐小僧は達磨先生や袖引き小僧と共に芝居小屋から逃げ出す。
追いかけて来る狸たちから必死に逃げ惑う豆腐小僧たちは、朝になって豆腐小僧たちがいないのに気付いて探していたアイと合流すると、アイの自転車に乗って逃げる事に成功した。
達磨は袖引き小僧に対して豆腐小僧を狸たちの下に連れて行った事を責める。
狸たちに支配された世界で生きるため、袖引き小僧は彼らに従っていたのだ。その事を悪びれない。
またも豆腐小僧の豆腐を食べようと現れた死神。
そんな死神が仕事があると向かった先は、茜が働いているビルだった。
豆腐小僧はアイと共に茜の下へ急ぐ。
東京に台風が接近しつつあったが、播磨は茜に黙ってソラで台風を消すとマスコミで発表してしまう。
まだ装置の最終チェックが終わっていないと反対する茜だが、芝居者狸に操られた播磨は承諾せずに無理矢理装置を作動させてしまう。
作動したソラによって台風が消えたかに思えたが、台風は直ぐに復活し、更に危険な状態となってしまった。
自らの力で無理矢理台風を消し去ろうとする芝居者狸。
豆腐小僧の呼び声が見越入道を蘇らせ、芝居者狸と見越入道の対決が始まる。
・キャスト
豆腐小僧:深田恭子
達磨先生:武田鉄矢
見越入道:松平健
袖引き小僧:小池徹平
おろく:矢島晶子
三毛姉さん:渡辺美佐
死神:大泉洋
芝居者狸:宮迫博之
702番狸:はるな愛
室田アイ:平野綾
室田茜:壇れい
【感想】
京極夏彦原作の『豆腐小僧双六道中ふりだし 本朝妖怪盛衰録』を原作にした3DCGアニメ映画。しかしこの小説原作のアニメと呼んでいいのかどうか。ぶっちゃけ子供向きでかなりマイルドになった内容。
フルCGのわりに3D映像が大したことがなかったのは残念。あの程度でならフルCGの必要はなかったんじゃないのか。
キャストは話題づくり用に俳優ばかりで勘弁してくれという感じ。
予告ではタイムスリップでもしてくるのかと思いきや、閉じ込められていたら200年経過して現代になったよ、というお話でした。
豆腐小僧が何故特別な存在だったのか、豆腐小僧を封印したことで何故妖怪が滅びたのか、何故豆腐小僧が妖怪たちを蘇らせる事が出来たのか、謎は謎のままです。
豆腐小僧は可愛いのだが、中の人が深田恭子という事もあり、一本調子な感じ。喜ぶ時も悲しむ時も決心した時も、声の雰囲気がまるで変わらない。これが素人声優の限界という事だろう。
狸たちの総大将は芝右衛門狸ではなく、芝居者狸。
欲望に満ちている大人たちに狸が憑依して、恐れを無くして妖怪が見えなくなったという設定は良かった。
ラストにはまだ純粋な子供たちにだけ復活した妖怪が視える、というのは王道。
基本的に定番ばかりなので、意外性に欠けるので見ていてもドキドキが無いのが残念。
どこまで行っても子供向きアニメという枠から抜け出せない出来栄えという評価かな。
個人的評価:45点(子供視点ならもう少し高いかもしれないが)


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