劇場版マクロスF(フロンティア)恋離飛翼~サヨナラノツバサ~ レビュー(ネタバレあり)
【ストーリー】
銀河の妖精シェリル・ノームと共に歌い、フロンティア船団を助けたランカ・リー。
帰るべき母艦を失ったシェリルたちギャラクシーの人間はフロンティアに移民する事となった。
第2次バジュラ遭遇戦から三ヶ月が経過し、平穏を取り戻したマクロスフロンティアで、シェリルはライブを開催していた。
教会ステージでウエディングドレス姿から始まった『禁断のエリクシア』を歌い終えた直後、シェリルは血を吐いて舞台上で倒れて意識を失ってしまう。
過労だという公式発表に対して、シェリルはもっと重い病気ではないのか、と噂が飛び交う。
そんな報道に呆れ気味のシェリルを見かけたランカが話掛けてくる。
更に未だにSMSはシェリルとの契約関係にあり、アルト・早乙女は完全に晴れていないスパイ容疑に関する監視も兼ねた護衛としてシェリルに同行していた。
アルトが自分の「ドレイ」だと笑うシェリルと、その響きにドキドキするランカ。
ランカは自分のライブが決まった事をシェリルに伝え、彼女に来て欲しいと招待状を差し出す。
シェリルと共にフロンティアを護るために歌ったランカは超時空シンデレラとして、一躍トップアイドルの座へと上り詰めていたのだ。
シェリルはマネージャーであるグレイス・オコナーにスケジュール調整を依頼して、必ず行くと約束する。
ランカは兄オズマ・リーからSMSが慰安旅行でマヤン島へ行くと聞いており、アルトにその時会いたいと告げる。
ブレラ・スターンはランカにアルトは止めておけと二人の妨害をしようとする。アルトは腕が立つが、精神が伴っておらず何もかもが中途半端だと厳しい評価を下すブレラ。
アルトはランカに対して後でメールすると囁くが、シェリルはそんな彼らの姿を厳しい眼差しで見つめていた。
マヤン島での慰安旅行。
サーフィンに興じるマクロス・クウォーター艦長のジェフリー・ワイルダーや、そんな彼に見とれるモニカ・ラングたちとビーチバレーに興じるミーナ・ローシャンやラム・ホア、カナリア・ベルンシュタイン。
女性にナンパをするミハエル・ブランにヤキモチを焼くクラン・クラン。その二人は先ほどミシェルのナンパした女性がルカ・アンジェローニの姉だと知って愕然。
オズマと仲良く過ごすキャサリン・グラスなど、皆が思い思いに楽しく過ごしていた。
水着姿でアルトの前に現れたランカも他のみんなと同様にはしゃいでいたが、アルトはランカのテンションがいつもよりも遙かに高い事に気付いていた。それはランカがバジュラの事で悩んでいたからだ。
「バジュラはなぜ、私のことを殺さなかったのだと思う?」
先の遭遇戦でバジュラに捕らえられたランカは、何故か「お帰り」と言われているような懐かしい気持ちになっていたのだ。脳がほとんど存在しないバジュラに心など存在する筈が無いと否定するアルトだが、ランカは虫や植物にも心はあるのではないか、と疑問を投げかける。
それでも心があるなら、何故自分たちを襲うのか、疑問を払拭できないアルトは、自分がランカを必ず護る、と約束する。
だがそこにオズマが緊急出動の連絡を持って駆けつけた。
グレイスは彼女の協力者であるネットワーク支配者の老人・中年・青年・少女の意思とインプラントネットワークを通じて交信を続けていた。
ランカとシェリル、二人の歌姫、どちらを最終的に使うのかというグレイスの問い掛けに、フォールド細菌に冒されたシェリルの喉はもはや限界だと見なす彼らだが、グレイスは二人の力を一つにすれば、という案を投げかける。
双方を失うかもしれない、しかし記憶喪失により不安定なランカよりも、ランカの力を移植されたシェリルの方が使える、彼らの中でも意見は直ぐに一致しない。
シェリルは医療ベッドから抜け出しててじっと古い歌舞伎の女形の映像を見つめていた。
そんなシェリルの姿を見て驚くグレイスだが、シェリルが激しく咳き込むと、彼女の体を蝕むV型感染症が更に進行している事を知り抱きしめる。
このままでは命が危ないと声帯の除去をするべきだと告げるグレイス。元々シェリルはフォールドエネルギーを自由に扱えるコードQ1=ランカを見つけ出すまでの代役でしかない、という契約だったのだ。
歌は自分の全てだと、声帯除去に反発するシェリルに、グレイスは「彼に会えなくなっても良いのか」と問い掛ける。言葉に詰まるシェリルに対して、グレイスは彼女の命を救い、かつ歌も捨てない唯一の方法がある、と提案する。
バジュラの巣となっている旧ゼントラーディ軍のボドルザー級の要塞に巣くったバジュラを撃退するために、フロンティア政府軍と共に出撃するSMS。
同じ頃、ランカのライブへと向かう道中、シェリルはグレイスの言葉を思い出していた。
シェリルが助かり、歌を捨てずに済む方法とは、フォールド細菌に対して免疫を持つランカの血液を、彼女の内臓ごと全て移植してしまうという、受け入れがたい内容だった。
ランカの最後のライブを見に行こうと笑うグレイス。
心の晴れないまま、ランカのライブステージを見るシェリル。
大勢の人々の心を惹き付けるランカの歌声とパフォーマンス。
バジュラと戦うSMSと軍に、ブレラたちギャラクシーの残存部隊も参戦する。
マクロス・クウォーターのマクロスキャノンの直撃を受けても倒れない敵司令塔に対して、ブレラは単騎で敵の内部へと侵入する。
アルトもまたブレラを追い掛けて敵内部へと潜入を試みた。
外での戦いが苦戦を強いられていたその時、アルトがシェリルから譲り受けたイヤリングを通じて、ランカの歌声が響く。
途端、ランカの歌声が持つフォールド波がバジュラたちの通信をジャミングし、バジュラたちの動きが止まってしまう。
バジュラの研究を続けていたルカは、その事に気付く。
一機に反撃へと転じるSMS。
アルトはいち早く敵中枢に辿り着いて交戦状態に入っていたブレラと共闘する。
バジュラにも心がある、というランカの言葉を思い出して躊躇するアルトだが、ブレラに引き金を引けない者は去れと告げられると、自分はパイロットであると戦う事を決意する。
ブレラが母体を護るバジュラを引きつけている間に敵母体へと襲撃を仕掛けるアルトだが、背後から攻撃を浴びて負傷してしまう。
ブレラはアルトが倒れたのも気に止めず、バジュラを攻撃して撃破する。
バジュラの司令塔は最後の力を振り絞り、超指向性のフォールド・ウェーブを放ち、バジュラたちに逃げるべき先を報せる。ルカはその行く先が示すものが、バジュラの母星に違いないと確信を抱く。
アルトが負傷したと聞いて病院へと急ぐランカと、タクシーで慌てて駆けつけたシェリル。
シェリルはベッドで眠るアルトの姿に酷く動揺して取り乱すが、幸い打撲や内出血などの怪我があったものの、最新の医療施設によって3日程度で回復するものだった。
安堵して悪態を付くシェリルは、アルトに林檎を剥こうとするが上手くいかない。変わりに昔から歌舞伎の女形として、女性のするべき事を一通り教えられたというアルトが皮むきをする。
空に憧れるアルトに空を飛ぶ理由を尋ねるシェリル。
アルトもまたシェリルが歌う理由を問い掛ける。
アルトを屋上へと連れて行くシェリルは最初は生きるために歌っていたが、今は歌うために生きているのだ応える。
アルトにはもう戦って欲しくない、とアルトが死ぬ事を恐れて泣くシェリル。
そこにアルトの見舞いに駆けつけたランカがやってきて、涙を流すシェリルの姿に動揺する。
その頃、グレイスは協力者たちと共に、難民として潜り込ませた同胞を使ってフロンティア制圧作戦を実施しようとしていた。
アイランド1に流れ始めるシェリルの歌を合図として実行された制圧作戦は上手く行くかと思われたが、彼らが行動を開始した直後、行動を起こしたフロンティア軍によって彼らは全て射殺されてしまう。グレイスも軍に取り囲まれると、銃弾を浴びて全身に大きな損傷を受けた上で囚われの身となってしまう。
全てはフォールド技術を密かに研究、実用化させていたレオン・ミシマ補佐官の指示によるものだった。ルカたちLAIの研究によってフォールドクウォーツの技術を手に入れていた彼らはグレイスたちのフォールド・ネットワークによる会話を盗聴していたのだ。
レオンは更にシェリルの身柄をも拘束する。
シェリルがギャラクシーのスパイであり、フォールド・クウォーツを使い、フロンティア船団にバジュラを誘き寄せたというのだ。
そんな筈がないと否定するアルトだが、何も応えないシェリルの姿にショックを隠しきれない。
逮捕されたシェリルに関して、大統領ハワード・グラスは現在が戦時下であるとして、特別法によりシェリルを裁判なしでの死刑としてしまう。
彼らの手法に怒りを覚える市民も多数いるが、それらの声が届く事はなく、シェリルは投獄される。
シェリルがスパイだったという事実に衝撃の隠せないアルトは、イヤリングを投げ捨てようとするも捨てる事が出来ず、苦悩の日々を過ごしていた。
そんなアルトの姿に、ランカは刑務所の所長と交渉してシェリルとの面会を果たす。
面会人がランカだと知って去ろうとするシェリルに、ランカは逃げるのか、と問い掛ける。
アルトが苦しんでいる事を伝えるも、シェリルは自分はそんな立派な人間ではないのだと声を張り上げる。
ランカは自分がシェリルに憧れ、目標としていた事、シェリルと共に歌う中で、彼女の弱さとその弱さを抱えながらも歌うシェリルの強さに憧れた事を語る。
シェリルにアルトの事をどう思っているのか、と最期に問い掛ける。
シェリルはランカに負けないぐらいアルトの事が好きだ、と本心を打ち明けるが、もうじき死ぬからと自分とランカだけの秘密だと告げる。
シェリルを死刑にするのは約束違反だとレオンに抗議するルカは、レオンが人類のためというお題目を掲げながら、その実ギャラクシーが行なおうとしていた事を乗っ取るつもりだと気付く。
恋人関係にある姉の身の危険をちらつかせるレオンに、ルカは姉にもしもの事があれば自分にも考えがある、と強気な態度を見せる。
だが、レオンは部下に命じて外壁でジャミング装置の確認を行っていたルカのケーブルを切断して宇宙へと飛ばしてしまう。
刑務所から町へと戻ったランカの前に、ギャラクシーの唯一の生き残りであり、逃亡中のブレラが姿を現す。
彼はフロンティア政府がランカを利用してバジュラたちを操ろうとしている事、シェリルが死刑執行されなくともV型感染症でもうじき死ぬ事、ランカが唯一フォールド細菌に免疫を持ちフォールドエネルギーを作り出せる存在である事を教える。
そして自分がランカの兄であるという事実を告白する。
追っ手が迫り逃亡するブレラが敵と戦う中、ランカは記憶の一部を取り戻してブレラが兄である事を思い出す。
4機のエンジンに、フォールドクウォーツを使用して作られた新型バルキリーYF-29をアルトに見せるオズマは、何故飛び、何故戦うのか、自分がただパイロットという役を演じているだけではないのか、というアルトの迷いを見抜いていた。
そんなアルトを殴りつけるオズマは、自分も本当はただのガキだが、パイロットや上官、兄や恋人の役を演じている、演じていない人間など誰もいないのだと活を入れる。そして軍隊ではないSMSに所属するアルトたちは選択の自由があり、自由故に自分で決めなければならないと、本当の自分を見つめ直すように諭す。
SMSはレオンの陰謀をルカとランカから伝えられる。
宇宙へと投げ出されたルカだが、予めEX-ギアを装着して待機していたミシェルによって救出されていたのだ。
カナリアはランカの体を検査して、ブレラの言葉が正しい事を伝える。ランカはバジュラと同じく、腸でフォールド細菌が活発に活動していた。
バジュラはそんなランカを仲間だと思い、未知の存在である人類から救出しようとしていただけなのだ。
カナリアやクランが脳だけでなく内蔵にも心が宿るという『心の内蔵起源説』について語ると、アルトは歌舞伎役者である父から腹で感じて腹で演じろと言われた事を思い出す。
ジェフリーはレオンの野望を阻止するため、フロンティア政府に反逆者として扱われる事を覚悟の上で、反旗を翻す事を決意する。
その第1段階の作戦は、名目上契約が継続されているシェリルを刑務所から救出する事だった。
囚われの身となっていたグレイスは、レオンにシェリルの様子を問いかける。
シェリルが最早歌える事はないにも関わらず、牢の壁にひたすら新しい詩を書き綴っていると聞いて嬉しそうに微笑む。
レオンはグレイスに彼女の協力者であったネットワークの支配者たちが助命と引き換えに、自分たちに協力を約束した事、フォールド波でバジュラの動きを止めた後にどうやってバジュラを操るのかも教えたと笑う。
厳重な警備の敷かれるアルカトラズ刑務所だが、以前の面会の際に、刑務所の所長が自分のファンである事を知ったランカは、慰問公演として刑務所へと潜り込む。
ランカの歌に合わせて、ミシェル、クラン、カナリアが演奏を行い、照明係のフリをしたルカが刑務所のシステムにハッキングを掛ける。
盛り上がりから軽い暴動を誘発する中、ルカがセキュリティを突破して入口のロックを解除すると、ゴスロリ姿に女装してバックダンサーを演じていたアルトが刑務所へと侵入する。
牢から出る事が出来ずにいた囚人たちは、聞こえて来るランカの歌に鉄格子を叩き、歌を口づさんで盛り上がる。
シェリルもまた聞こえて来るランカの歌声に、自然と歌を口ずさむ。
シェリルを探すアルトは、シェリルの歌声を聴いて彼女を見つけ出す事に成功。脱出を阻止しようとする看守たちに対して、ジェットクラスターを使い飛んで脱出に成功、ランカたちと合流を果たす。
彼らがシェリル救出を行うと読んでいたレオンは、ギャラクシーのデータを引き継いでランカの歌によるフォールドプロトコルの解析を継続、遂に完全解析に成功すると、待機させていた部隊を彼女たちと暴動を起こしている囚人の鎮圧へと向かわせる。
時同じくして、ランカとシェリルの歌に惹かれたバジュラがフロンティア船団の眼前へとデフォールドし、戦闘が開始された。
アルトはミシェルたちが鎮圧部隊を抑えている間に、ランカとシェリルを連れてマクロスクウォーターへと急ぐ。
シェリルは自分の祖母が行方不明となった姉と同じく動物や自然と語る事の出来る風の導き手なら、バジュラとも対話が出来ると考えていた事、それがランカであった事を語る。しかし失敗して調査船団はバジュラに襲撃された。
ランカはバジュラが襲撃したのではなく、前回と同じくランカを助け出そうとしたのだと語る。
そんな彼らの前に現れたのはレオンたちの目を掻い潜って逃亡を続けるブレラが現れる。
ランカの記憶が戻るのを待っていたというブレラは、ランカに来るように告げるも、シェリルは今のブレラはインプラントによってギャラクシーの操り人形でしかなく、彼女の内臓器官をシェリルにい移植するつもりだとランカを止める。
ブレラに立ち向かうアルトだが、サイボーグ化されたブレラの前に歯が立たない。
窮地に陥ったアルトたちを助けたのはEX-ギアを着用したオズマだった。
オズマに助けられて逃げるアルトたち。
オズマと戦いながらも追跡するブレラは、アルトたちに銃口を向ける。咄嗟にオズマは自らの体を盾としてランカたち3人を守る。銃弾を大量に浴びて崩れるオズマの姿に気絶するランカ。
更に、バジュラの攻撃が彼らのいた区画の外壁を破壊し、彼女たちを宇宙へと引き込む。
気絶しているランカを捕まえたシェリルに手を伸ばすアルトだが、ほんの僅かに届かず二人は宇宙へと放り出されそうになった。シェリルは決意したようにランカの体をアルトへと押し出してアルトに届ける。シェリルの体が宇宙空間へと飲み込まれて行った直後、外壁の損傷が緊急修復された。
バジュラの攻撃に対して、レオンはハワード大統領にバジュラをコントロールする作戦の実行指示を求める。アイランド1の全エネルギーを使用して市民を巻き込む事に躊躇するハワードだが、バジュラたちによりフロンティア軍が次々と撃墜され、攻撃がアイランド1に及ぶようになり、遂に決断を下す。
ジャミングによってフォールド波での通信を遮断されたバジュラは混乱。その隙に反撃へと転じたフロンティア軍は、インプラント弾を使用してバジュラを操る事に成功する。
そしてフロンティア船団は反旗を翻したSMSを残し、バジュラの母星へとフォールドしていく。
バジュラを自らの手中に収めんとするレオンたちだが、ギャラクシーの意思たちと、彼に操られたブレラによって殺害され、フロンティアは市民の知らぬところでギャラクシーに乗っ取られてしまった。
シェリルとオズマを失い悲しみにくれるアルトに、悲しんでいる場合ではないと非難するミシェルだが、アルトは悲しんで何が悪いのかと反発。哀しみを背負いながらもパイロットとして飛び続ける覚悟を見せる。そんなアルトに、ミシェルはもう「姫とは呼べない」と彼を認めるようになる。
残されたSMSはSMS本部と統合軍に通信を送ったものの、フォールド断層の影響によって返答は無かった。シェリル救出に失敗し、援軍の期待出来ない中、彼らはランカの歌を頼りにバジュラとの対話のため、フロンティア政府の野望を挫くため、たった一隻で戦いへと挑むべく、バジュラの母星へと向かう。
戦いの直前、ランカはこの戦いで一番大切な人を思って初めて作詞した新曲を歌う事を伝えると、勇気を振り絞りアルトへ「好き」だと告白するのだった。
・YouTube動画
アルトの選んだ結末は!?
あの内容ならシェリルを選ぶのも納得というか。しかしテレビ版とは逆になった感じだね。TV版ではシェリルがアルトに思いを伝えていて、でもアルトはランカの事が好きだと感じているので答えを聞かずに決戦に挑むという感じだったのに。
しかもバッドエンドに近い……シェリルは寝たきり、アルトは行方不明って。
シェリルが一命を取り留めているのは、ランカが輸血してくれているのでV型感染症の進行が停止しているからでしょうか。
どうせなら、ラストにアルトらしき人物が歩く足が映るとか、デフォールドしてくる何かが現れるとかなら、ハッピーエンドだったのにな。アルトはシェリルのV型感染症を治療する方法を見つけてから戻ってくるので、時間が掛る、という事にしておこう……
実はアバンのシェリルライブのシーンがトライアングラーの決着内容の全てを物語っていたんではないのか……
話はTV版からアルトの家に絡んだ確執などがばっさりカット。
展開もバジュラの母星で決戦。乗っ取られた女王バジュラとの戦いという基本路線以外はかなり変わっています。ブレラは洗脳されて、ラスボスがグレイスではなくなり、グレイスとレオンの裏取引も消え、シェリルの投獄や、最後のシェリル回復エピソードも無くなり……バジュラも進化して攻撃が通用しなくなる、というのが無くなっていますね。これは劇場版にする上で克服するには時間を大きく割かないといけないからいうのがありそうだ。
映像はTV版から流用した探す方が大変。
戦闘シーンは相変わらずですが、アップにならないとどの機体がどれか、見分けるのが難しくなってしまうごちゃごちゃ感も健在。それがより戦闘シーンに臨場感も与えてはいるのだけど。
個人的にはおススメの内容に仕上がっています。
アルト姫は劇場版になって男前度が上がって、テレビ版では散々叩かれていたところが修正された感じでしょうか。
フォールド・クウォーツを身につけているだけで、何故バジュラの気持ちを感じる事が出来るのかは謎。
YF-29にも使われているわけで、搭乗者はみんな感じても不思議ではないのだけど。直接肌につけているかどうかが大きいのかな。
慰問公演では何故女装する必要があったのかと思ったけど、ジェットクラスターを隠すためだったんだな。
統合軍の救援で、やたらと目立つ台詞で何やら憶えのある感じのキャラが一声だけあげた、と思ったらやはりイサムだった。
バルキリーでの台詞だけで、姿は一切映っていませんが、エンディングクレジットに名前が出ていたので間違いないようだ。
何故ゲスト出演したんだろう。
慰問公演の、バックメンバーの衣装がファイヤーボンバー風だったのは、確実にオズマの趣味でしょうね。
テレビ版で見た事があるっぽい人がゼントラ語で「ランカちゃん!」と言ってるのには思わず笑ってしまう。
後、何故か序盤の平和な時の町の光景で、至るところに手塚作品のアニメ映像シーンが流れていたのだけど、あれは何故なんだろう。
虫プロが絡んでいるからだろうか? それにしても異様に浮いていたよ。
ライブシーンは相変わらず謎。
現実に考えると色々と不思議なところがあります。
ランカやシェリルが複数出て来るのは、一方がCGだ認識したとしても、確実に歌っていないのに、歌声が聞こえてくる場面とか、どうやってるんだ?
録音した歌を流してるのか?
ただ客が必ずサイリウムで応援、というのはやっぱりアニメ作品だな、と感じさせられる。ランカのようなアイドルタイプならまだしも、シェリルのようなタイプの場合はケミカルライトを使う事はほとんどないよね。
基本、一般的なライブではケミカルライトは使われない。使うのは声優やアニオタ系ライブ、モー娘。やAKBなどのアイドル系ぐらいではないだろうか。
レオンは相変わらずのエロ河童ぶりですが、キャシーと交際関係にはなく、ルカ姉(ジュリアだっけ?)と付き合う形になってるのですね。キャシーの口ぶりではレオンとほとんど面識もないっぽい。
所詮は噛ませ犬でしたが、見せ場は作ってもらえたようです。
今回の映画でアルトと並んで印象が変わったのはグレイスでしょうか。
ギャラクシーと共にフロンティア制圧作戦を実行するなど暗躍はしているものの、幼い頃から育ててきたシェリルに対してかなりの愛着を抱くようになっているのが感じられる。
幼いころから育てて実の娘のような気持ちになってしまったのだろうか。
危険性のあるシェリルとランカの融合という案も、表向きの理由とは別にシェリルのために、というのがあったのだろうね。
劇場版オリジナルであるアルトとシェリルの幼い頃の出会い。
ちっこいアルトはキラキラ輝き過ぎ(笑)。シェリル目線でのフィルターが掛っていたのでしょうか。
そしてちびシェリルは可愛い。ピアノ発表会とかに参加しそう。
波乗り艦長は笑える。
緊張した場面で、波乗りポーズとか、なんか更に個性が強くなってるよ。
バルキリープレゼントに応募するのを忘れて、半券交換しちゃったよ……
個人的評価85点
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ブレラ・スターンはランカにアルトは止めておけと二人の妨害をしようとする。アルトは腕が立つが、精神が伴っておらず何もかもが中途半端だと厳しい評価を下すブレラ。
アルトはランカに対して後でメールすると囁くが、シェリルはそんな彼らの姿を厳しい眼差しで見つめていた。
マヤン島での慰安旅行。
サーフィンに興じるマクロス・クウォーター艦長のジェフリー・ワイルダーや、そんな彼に見とれるモニカ・ラングたちとビーチバレーに興じるミーナ・ローシャンやラム・ホア、カナリア・ベルンシュタイン。
女性にナンパをするミハエル・ブランにヤキモチを焼くクラン・クラン。その二人は先ほどミシェルのナンパした女性がルカ・アンジェローニの姉だと知って愕然。
オズマと仲良く過ごすキャサリン・グラスなど、皆が思い思いに楽しく過ごしていた。
水着姿でアルトの前に現れたランカも他のみんなと同様にはしゃいでいたが、アルトはランカのテンションがいつもよりも遙かに高い事に気付いていた。それはランカがバジュラの事で悩んでいたからだ。
「バジュラはなぜ、私のことを殺さなかったのだと思う?」
先の遭遇戦でバジュラに捕らえられたランカは、何故か「お帰り」と言われているような懐かしい気持ちになっていたのだ。脳がほとんど存在しないバジュラに心など存在する筈が無いと否定するアルトだが、ランカは虫や植物にも心はあるのではないか、と疑問を投げかける。
それでも心があるなら、何故自分たちを襲うのか、疑問を払拭できないアルトは、自分がランカを必ず護る、と約束する。
だがそこにオズマが緊急出動の連絡を持って駆けつけた。
グレイスは彼女の協力者であるネットワーク支配者の老人・中年・青年・少女の意思とインプラントネットワークを通じて交信を続けていた。
ランカとシェリル、二人の歌姫、どちらを最終的に使うのかというグレイスの問い掛けに、フォールド細菌に冒されたシェリルの喉はもはや限界だと見なす彼らだが、グレイスは二人の力を一つにすれば、という案を投げかける。
双方を失うかもしれない、しかし記憶喪失により不安定なランカよりも、ランカの力を移植されたシェリルの方が使える、彼らの中でも意見は直ぐに一致しない。
シェリルは医療ベッドから抜け出しててじっと古い歌舞伎の女形の映像を見つめていた。
そんなシェリルの姿を見て驚くグレイスだが、シェリルが激しく咳き込むと、彼女の体を蝕むV型感染症が更に進行している事を知り抱きしめる。
このままでは命が危ないと声帯の除去をするべきだと告げるグレイス。元々シェリルはフォールドエネルギーを自由に扱えるコードQ1=ランカを見つけ出すまでの代役でしかない、という契約だったのだ。
歌は自分の全てだと、声帯除去に反発するシェリルに、グレイスは「彼に会えなくなっても良いのか」と問い掛ける。言葉に詰まるシェリルに対して、グレイスは彼女の命を救い、かつ歌も捨てない唯一の方法がある、と提案する。
バジュラの巣となっている旧ゼントラーディ軍のボドルザー級の要塞に巣くったバジュラを撃退するために、フロンティア政府軍と共に出撃するSMS。
同じ頃、ランカのライブへと向かう道中、シェリルはグレイスの言葉を思い出していた。
シェリルが助かり、歌を捨てずに済む方法とは、フォールド細菌に対して免疫を持つランカの血液を、彼女の内臓ごと全て移植してしまうという、受け入れがたい内容だった。
ランカの最後のライブを見に行こうと笑うグレイス。
心の晴れないまま、ランカのライブステージを見るシェリル。
大勢の人々の心を惹き付けるランカの歌声とパフォーマンス。
バジュラと戦うSMSと軍に、ブレラたちギャラクシーの残存部隊も参戦する。
マクロス・クウォーターのマクロスキャノンの直撃を受けても倒れない敵司令塔に対して、ブレラは単騎で敵の内部へと侵入する。
アルトもまたブレラを追い掛けて敵内部へと潜入を試みた。
外での戦いが苦戦を強いられていたその時、アルトがシェリルから譲り受けたイヤリングを通じて、ランカの歌声が響く。
途端、ランカの歌声が持つフォールド波がバジュラたちの通信をジャミングし、バジュラたちの動きが止まってしまう。
バジュラの研究を続けていたルカは、その事に気付く。
一機に反撃へと転じるSMS。
アルトはいち早く敵中枢に辿り着いて交戦状態に入っていたブレラと共闘する。
バジュラにも心がある、というランカの言葉を思い出して躊躇するアルトだが、ブレラに引き金を引けない者は去れと告げられると、自分はパイロットであると戦う事を決意する。
ブレラが母体を護るバジュラを引きつけている間に敵母体へと襲撃を仕掛けるアルトだが、背後から攻撃を浴びて負傷してしまう。
ブレラはアルトが倒れたのも気に止めず、バジュラを攻撃して撃破する。
バジュラの司令塔は最後の力を振り絞り、超指向性のフォールド・ウェーブを放ち、バジュラたちに逃げるべき先を報せる。ルカはその行く先が示すものが、バジュラの母星に違いないと確信を抱く。
アルトが負傷したと聞いて病院へと急ぐランカと、タクシーで慌てて駆けつけたシェリル。
シェリルはベッドで眠るアルトの姿に酷く動揺して取り乱すが、幸い打撲や内出血などの怪我があったものの、最新の医療施設によって3日程度で回復するものだった。
安堵して悪態を付くシェリルは、アルトに林檎を剥こうとするが上手くいかない。変わりに昔から歌舞伎の女形として、女性のするべき事を一通り教えられたというアルトが皮むきをする。
空に憧れるアルトに空を飛ぶ理由を尋ねるシェリル。
アルトもまたシェリルが歌う理由を問い掛ける。
アルトを屋上へと連れて行くシェリルは最初は生きるために歌っていたが、今は歌うために生きているのだ応える。
アルトにはもう戦って欲しくない、とアルトが死ぬ事を恐れて泣くシェリル。
そこにアルトの見舞いに駆けつけたランカがやってきて、涙を流すシェリルの姿に動揺する。
その頃、グレイスは協力者たちと共に、難民として潜り込ませた同胞を使ってフロンティア制圧作戦を実施しようとしていた。
アイランド1に流れ始めるシェリルの歌を合図として実行された制圧作戦は上手く行くかと思われたが、彼らが行動を開始した直後、行動を起こしたフロンティア軍によって彼らは全て射殺されてしまう。グレイスも軍に取り囲まれると、銃弾を浴びて全身に大きな損傷を受けた上で囚われの身となってしまう。
全てはフォールド技術を密かに研究、実用化させていたレオン・ミシマ補佐官の指示によるものだった。ルカたちLAIの研究によってフォールドクウォーツの技術を手に入れていた彼らはグレイスたちのフォールド・ネットワークによる会話を盗聴していたのだ。
レオンは更にシェリルの身柄をも拘束する。
シェリルがギャラクシーのスパイであり、フォールド・クウォーツを使い、フロンティア船団にバジュラを誘き寄せたというのだ。
そんな筈がないと否定するアルトだが、何も応えないシェリルの姿にショックを隠しきれない。
逮捕されたシェリルに関して、大統領ハワード・グラスは現在が戦時下であるとして、特別法によりシェリルを裁判なしでの死刑としてしまう。
彼らの手法に怒りを覚える市民も多数いるが、それらの声が届く事はなく、シェリルは投獄される。
シェリルがスパイだったという事実に衝撃の隠せないアルトは、イヤリングを投げ捨てようとするも捨てる事が出来ず、苦悩の日々を過ごしていた。
そんなアルトの姿に、ランカは刑務所の所長と交渉してシェリルとの面会を果たす。
面会人がランカだと知って去ろうとするシェリルに、ランカは逃げるのか、と問い掛ける。
アルトが苦しんでいる事を伝えるも、シェリルは自分はそんな立派な人間ではないのだと声を張り上げる。
ランカは自分がシェリルに憧れ、目標としていた事、シェリルと共に歌う中で、彼女の弱さとその弱さを抱えながらも歌うシェリルの強さに憧れた事を語る。
シェリルにアルトの事をどう思っているのか、と最期に問い掛ける。
シェリルはランカに負けないぐらいアルトの事が好きだ、と本心を打ち明けるが、もうじき死ぬからと自分とランカだけの秘密だと告げる。
シェリルを死刑にするのは約束違反だとレオンに抗議するルカは、レオンが人類のためというお題目を掲げながら、その実ギャラクシーが行なおうとしていた事を乗っ取るつもりだと気付く。
恋人関係にある姉の身の危険をちらつかせるレオンに、ルカは姉にもしもの事があれば自分にも考えがある、と強気な態度を見せる。
だが、レオンは部下に命じて外壁でジャミング装置の確認を行っていたルカのケーブルを切断して宇宙へと飛ばしてしまう。
刑務所から町へと戻ったランカの前に、ギャラクシーの唯一の生き残りであり、逃亡中のブレラが姿を現す。
彼はフロンティア政府がランカを利用してバジュラたちを操ろうとしている事、シェリルが死刑執行されなくともV型感染症でもうじき死ぬ事、ランカが唯一フォールド細菌に免疫を持ちフォールドエネルギーを作り出せる存在である事を教える。
そして自分がランカの兄であるという事実を告白する。
追っ手が迫り逃亡するブレラが敵と戦う中、ランカは記憶の一部を取り戻してブレラが兄である事を思い出す。
4機のエンジンに、フォールドクウォーツを使用して作られた新型バルキリーYF-29をアルトに見せるオズマは、何故飛び、何故戦うのか、自分がただパイロットという役を演じているだけではないのか、というアルトの迷いを見抜いていた。
そんなアルトを殴りつけるオズマは、自分も本当はただのガキだが、パイロットや上官、兄や恋人の役を演じている、演じていない人間など誰もいないのだと活を入れる。そして軍隊ではないSMSに所属するアルトたちは選択の自由があり、自由故に自分で決めなければならないと、本当の自分を見つめ直すように諭す。
SMSはレオンの陰謀をルカとランカから伝えられる。
宇宙へと投げ出されたルカだが、予めEX-ギアを装着して待機していたミシェルによって救出されていたのだ。
カナリアはランカの体を検査して、ブレラの言葉が正しい事を伝える。ランカはバジュラと同じく、腸でフォールド細菌が活発に活動していた。
バジュラはそんなランカを仲間だと思い、未知の存在である人類から救出しようとしていただけなのだ。
カナリアやクランが脳だけでなく内蔵にも心が宿るという『心の内蔵起源説』について語ると、アルトは歌舞伎役者である父から腹で感じて腹で演じろと言われた事を思い出す。
ジェフリーはレオンの野望を阻止するため、フロンティア政府に反逆者として扱われる事を覚悟の上で、反旗を翻す事を決意する。
その第1段階の作戦は、名目上契約が継続されているシェリルを刑務所から救出する事だった。
囚われの身となっていたグレイスは、レオンにシェリルの様子を問いかける。
シェリルが最早歌える事はないにも関わらず、牢の壁にひたすら新しい詩を書き綴っていると聞いて嬉しそうに微笑む。
レオンはグレイスに彼女の協力者であったネットワークの支配者たちが助命と引き換えに、自分たちに協力を約束した事、フォールド波でバジュラの動きを止めた後にどうやってバジュラを操るのかも教えたと笑う。
厳重な警備の敷かれるアルカトラズ刑務所だが、以前の面会の際に、刑務所の所長が自分のファンである事を知ったランカは、慰問公演として刑務所へと潜り込む。
ランカの歌に合わせて、ミシェル、クラン、カナリアが演奏を行い、照明係のフリをしたルカが刑務所のシステムにハッキングを掛ける。
盛り上がりから軽い暴動を誘発する中、ルカがセキュリティを突破して入口のロックを解除すると、ゴスロリ姿に女装してバックダンサーを演じていたアルトが刑務所へと侵入する。
牢から出る事が出来ずにいた囚人たちは、聞こえて来るランカの歌に鉄格子を叩き、歌を口づさんで盛り上がる。
シェリルもまた聞こえて来るランカの歌声に、自然と歌を口ずさむ。
シェリルを探すアルトは、シェリルの歌声を聴いて彼女を見つけ出す事に成功。脱出を阻止しようとする看守たちに対して、ジェットクラスターを使い飛んで脱出に成功、ランカたちと合流を果たす。
彼らがシェリル救出を行うと読んでいたレオンは、ギャラクシーのデータを引き継いでランカの歌によるフォールドプロトコルの解析を継続、遂に完全解析に成功すると、待機させていた部隊を彼女たちと暴動を起こしている囚人の鎮圧へと向かわせる。
時同じくして、ランカとシェリルの歌に惹かれたバジュラがフロンティア船団の眼前へとデフォールドし、戦闘が開始された。
アルトはミシェルたちが鎮圧部隊を抑えている間に、ランカとシェリルを連れてマクロスクウォーターへと急ぐ。
シェリルは自分の祖母が行方不明となった姉と同じく動物や自然と語る事の出来る風の導き手なら、バジュラとも対話が出来ると考えていた事、それがランカであった事を語る。しかし失敗して調査船団はバジュラに襲撃された。
ランカはバジュラが襲撃したのではなく、前回と同じくランカを助け出そうとしたのだと語る。
そんな彼らの前に現れたのはレオンたちの目を掻い潜って逃亡を続けるブレラが現れる。
ランカの記憶が戻るのを待っていたというブレラは、ランカに来るように告げるも、シェリルは今のブレラはインプラントによってギャラクシーの操り人形でしかなく、彼女の内臓器官をシェリルにい移植するつもりだとランカを止める。
ブレラに立ち向かうアルトだが、サイボーグ化されたブレラの前に歯が立たない。
窮地に陥ったアルトたちを助けたのはEX-ギアを着用したオズマだった。
オズマに助けられて逃げるアルトたち。
オズマと戦いながらも追跡するブレラは、アルトたちに銃口を向ける。咄嗟にオズマは自らの体を盾としてランカたち3人を守る。銃弾を大量に浴びて崩れるオズマの姿に気絶するランカ。
更に、バジュラの攻撃が彼らのいた区画の外壁を破壊し、彼女たちを宇宙へと引き込む。
気絶しているランカを捕まえたシェリルに手を伸ばすアルトだが、ほんの僅かに届かず二人は宇宙へと放り出されそうになった。シェリルは決意したようにランカの体をアルトへと押し出してアルトに届ける。シェリルの体が宇宙空間へと飲み込まれて行った直後、外壁の損傷が緊急修復された。
バジュラの攻撃に対して、レオンはハワード大統領にバジュラをコントロールする作戦の実行指示を求める。アイランド1の全エネルギーを使用して市民を巻き込む事に躊躇するハワードだが、バジュラたちによりフロンティア軍が次々と撃墜され、攻撃がアイランド1に及ぶようになり、遂に決断を下す。
ジャミングによってフォールド波での通信を遮断されたバジュラは混乱。その隙に反撃へと転じたフロンティア軍は、インプラント弾を使用してバジュラを操る事に成功する。
そしてフロンティア船団は反旗を翻したSMSを残し、バジュラの母星へとフォールドしていく。
バジュラを自らの手中に収めんとするレオンたちだが、ギャラクシーの意思たちと、彼に操られたブレラによって殺害され、フロンティアは市民の知らぬところでギャラクシーに乗っ取られてしまった。
シェリルとオズマを失い悲しみにくれるアルトに、悲しんでいる場合ではないと非難するミシェルだが、アルトは悲しんで何が悪いのかと反発。哀しみを背負いながらもパイロットとして飛び続ける覚悟を見せる。そんなアルトに、ミシェルはもう「姫とは呼べない」と彼を認めるようになる。
残されたSMSはSMS本部と統合軍に通信を送ったものの、フォールド断層の影響によって返答は無かった。シェリル救出に失敗し、援軍の期待出来ない中、彼らはランカの歌を頼りにバジュラとの対話のため、フロンティア政府の野望を挫くため、たった一隻で戦いへと挑むべく、バジュラの母星へと向かう。
戦いの直前、ランカはこの戦いで一番大切な人を思って初めて作詞した新曲を歌う事を伝えると、勇気を振り絞りアルトへ「好き」だと告白するのだった。
・YouTube動画
【感想】
ついにトライアングラーに決着!!アルトの選んだ結末は!?
あの内容ならシェリルを選ぶのも納得というか。しかしテレビ版とは逆になった感じだね。TV版ではシェリルがアルトに思いを伝えていて、でもアルトはランカの事が好きだと感じているので答えを聞かずに決戦に挑むという感じだったのに。
しかもバッドエンドに近い……シェリルは寝たきり、アルトは行方不明って。
シェリルが一命を取り留めているのは、ランカが輸血してくれているのでV型感染症の進行が停止しているからでしょうか。
どうせなら、ラストにアルトらしき人物が歩く足が映るとか、デフォールドしてくる何かが現れるとかなら、ハッピーエンドだったのにな。アルトはシェリルのV型感染症を治療する方法を見つけてから戻ってくるので、時間が掛る、という事にしておこう……
実はアバンのシェリルライブのシーンがトライアングラーの決着内容の全てを物語っていたんではないのか……
話はTV版からアルトの家に絡んだ確執などがばっさりカット。
展開もバジュラの母星で決戦。乗っ取られた女王バジュラとの戦いという基本路線以外はかなり変わっています。ブレラは洗脳されて、ラスボスがグレイスではなくなり、グレイスとレオンの裏取引も消え、シェリルの投獄や、最後のシェリル回復エピソードも無くなり……バジュラも進化して攻撃が通用しなくなる、というのが無くなっていますね。これは劇場版にする上で克服するには時間を大きく割かないといけないからいうのがありそうだ。
映像はTV版から流用した探す方が大変。
戦闘シーンは相変わらずですが、アップにならないとどの機体がどれか、見分けるのが難しくなってしまうごちゃごちゃ感も健在。それがより戦闘シーンに臨場感も与えてはいるのだけど。
個人的にはおススメの内容に仕上がっています。
アルト姫は劇場版になって男前度が上がって、テレビ版では散々叩かれていたところが修正された感じでしょうか。
フォールド・クウォーツを身につけているだけで、何故バジュラの気持ちを感じる事が出来るのかは謎。
YF-29にも使われているわけで、搭乗者はみんな感じても不思議ではないのだけど。直接肌につけているかどうかが大きいのかな。
慰問公演では何故女装する必要があったのかと思ったけど、ジェットクラスターを隠すためだったんだな。
統合軍の救援で、やたらと目立つ台詞で何やら憶えのある感じのキャラが一声だけあげた、と思ったらやはりイサムだった。
バルキリーでの台詞だけで、姿は一切映っていませんが、エンディングクレジットに名前が出ていたので間違いないようだ。
何故ゲスト出演したんだろう。
慰問公演の、バックメンバーの衣装がファイヤーボンバー風だったのは、確実にオズマの趣味でしょうね。
テレビ版で見た事があるっぽい人がゼントラ語で「ランカちゃん!」と言ってるのには思わず笑ってしまう。
後、何故か序盤の平和な時の町の光景で、至るところに手塚作品のアニメ映像シーンが流れていたのだけど、あれは何故なんだろう。
虫プロが絡んでいるからだろうか? それにしても異様に浮いていたよ。
ライブシーンは相変わらず謎。
現実に考えると色々と不思議なところがあります。
ランカやシェリルが複数出て来るのは、一方がCGだ認識したとしても、確実に歌っていないのに、歌声が聞こえてくる場面とか、どうやってるんだ?
録音した歌を流してるのか?
ただ客が必ずサイリウムで応援、というのはやっぱりアニメ作品だな、と感じさせられる。ランカのようなアイドルタイプならまだしも、シェリルのようなタイプの場合はケミカルライトを使う事はほとんどないよね。
基本、一般的なライブではケミカルライトは使われない。使うのは声優やアニオタ系ライブ、モー娘。やAKBなどのアイドル系ぐらいではないだろうか。
レオンは相変わらずのエロ河童ぶりですが、キャシーと交際関係にはなく、ルカ姉(ジュリアだっけ?)と付き合う形になってるのですね。キャシーの口ぶりではレオンとほとんど面識もないっぽい。
所詮は噛ませ犬でしたが、見せ場は作ってもらえたようです。
今回の映画でアルトと並んで印象が変わったのはグレイスでしょうか。
ギャラクシーと共にフロンティア制圧作戦を実行するなど暗躍はしているものの、幼い頃から育ててきたシェリルに対してかなりの愛着を抱くようになっているのが感じられる。
幼いころから育てて実の娘のような気持ちになってしまったのだろうか。
危険性のあるシェリルとランカの融合という案も、表向きの理由とは別にシェリルのために、というのがあったのだろうね。
劇場版オリジナルであるアルトとシェリルの幼い頃の出会い。
ちっこいアルトはキラキラ輝き過ぎ(笑)。シェリル目線でのフィルターが掛っていたのでしょうか。
そしてちびシェリルは可愛い。ピアノ発表会とかに参加しそう。
波乗り艦長は笑える。
緊張した場面で、波乗りポーズとか、なんか更に個性が強くなってるよ。
バルキリープレゼントに応募するのを忘れて、半券交換しちゃったよ……
個人的評価85点


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