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刀語 第七話「悪刀・鐚」

四国は土佐。剣士の聖地・清涼院護剣寺に現れた鑢七実は、死霊山で覚えたという降霊術で両親の霊を呼び出しながらも、立ちはだかる僧兵を殲滅して、そこにて弟・鑢七花の到来を待つ事とした。
何故わざわざ四国へと思ったら、目立つところという事で剣の聖地と呼ばれる場所に目をつけたのか。

尾張へと戻る予定であった七花ととがめは、死霊山を襲い四季崎記紀の完成形変体刀十二本が一本『悪刀・鐚』を奪い去ったという謎の所有者を追い、急遽四国へと向かった。
そこで否定姫の懐刀・左右田右衛門左衛門からその相手が七実である事を聞かされる。
七花にとっては驚きと共に、七実なら死霊山を僅かな間に壊滅出来る実力というのも納得出来ることなのだろうな。

実の姉との戦いに躊躇する七花だが、七実はそんな七花が刀として弱くなったと残念がる。
刀を欲するのであれば自分を倒して手に入れろと語る七実に、七花は自分は島を出た時の自分とは違うと戦いを決意する。
七花も旅の間に少しは自身を身につけたという事か。
だが見稽古という特殊能力を持つ七実にとっては、七花がどれほど成長していようとも戦いの中で一瞬でその力も弱点も全てを把握出来てしまう。
技の難易度によっては一度見ただけでは身につけられないかもしれないのだね。しかし七実が狂犬と出会っていたら、あの忍術も覚える事が出来てしまったのだろうか?
虚刀流最終奥義『七花八裂』を繰り出した七花だが、七花は七実に軽々と腰を持ち上げられて天井へと叩き付けられてしまう。
七実は蝦夷の踊山で凍空こなゆきの凍空一族を壊滅させた時に、大人の凍空一族を見てその怪力さえも身につけてしまっていたのだ。
凍空一族の怪力は天性のものではなく、何かコツのようなものがあるという事なのだろうか。それとも、七実には技とかそういうのは一切関係なく身につける事が出来るのか?
真庭忍軍虫組、凍空一族、死霊山、清涼院護剣寺。悉く全滅させてきた七実だが、彼女にとってそれは雑草を処分しているのと同じ事。刀である彼女には相手が何であろうと関係ない。
本来、七花もそういうタイプだった筈なのだが、この旅の間に変わってしまったという事か。
これまでの戦いで更に強くなっている七実は、『七花八裂』に弱点があった事を指摘する。本来はそれを伝えるために島を出てきた七実だったが、七花の代わり振りに落胆して教える事を止めて七花を倒してしまう。
一瞬で272回の打撃を放った七実だが、忍法足軽の応用で打撃そのものから威力を消して手加減する。
忍法足軽をもはや本人以上に使いこなしてしまってますよ、七実。

病弱で持久力こそが弱点だった七実だが、雷を帯びたくないである『悪刀・鐚』を胸に刺す事で、彼女の病は強制的に癒される。
無理矢理人体を活性化させる『悪刀・鐚』を得て、七実は『悪刀・七実』へと変化した。
戦えば全ての技を盗まれ、体力という弱点も無くなり、まさに無敵モードです。

七実という名の怪物の存在に驚異を感じる右衛門左衛門と否定姫。更に真庭忍軍もまたその怪物としか思えない力に、とがめの策と七花に期待を託すしかない。
右衛門左衛門や真庭鳳凰を含めた中でも、七実に太刀打ち出来る者は存在していない。
鳳凰や右衛門左衛門を持ってしても勝てないと言わしめる、まさに史上最強の怪物で錆白兵どころの騒ぎでは無かったわけだ。お話的には中ボス位置だけど、実力はラスボスか。
しかも話し合いや取引などが通じるタイプではないから余計に厄介なんだろうな。

七花は七実に勝てるなどと何故自分がうぬぼれていたのかとすっかり落ち込んで引き籠もり続けていた。
とがめはそんな七花に何故七実の方が強い事を隠していたのかと問い掛ける。
「それは……俺がとがめの刀になりたかったからだよ。
 とがめが初めて島に来た日、そう思ったんだ。
 姉ちゃんの方が強いって判ったら、とがめは姉ちゃんの方を選んじゃうかもしれないじゃんか」
「たわけが……
 一度しか言わんから良く聞いておけ!
 半年前ならいざ知らず。
 今は私の刀はそなたしかおらんと思っておるわ!
 こんな事、いちいち言わすな、愚か者!!!」
自分は数え切れないほど負けても、そこで立ち止まらずに勝利を手にしてきたのだというとがめは七花に活を入れると、一度しか訊ねないと前置きをして問い掛ける。
「そなた、七実と再戦する気はあるか?」
涙目を浮かべるとがめをじっと見つめる七花。
「……ある!」
出発時点で七実の方が強いと判っていたら、確かにとがめは七花よりも七実に頼んだのかもしれないな。しかし今は二人の間にも絆が生まれて、ただ強いからという理由だけで別の人間を選ぶ事はないのでしょう。

奇策を授けるというとがめは『七花八裂』の弱点を語る。七つの奥義を高速に連続で放つ事で同時に放っているように見せる『七花八裂』だが、第四の奥義「柳緑花紅」を放つ時の溜め動作により、混成接続の足枷となってしまっていた。
もちろん七実は七花が技を改良する事も承知の上です。
とがめは七実の眼を封じる奇策を用意していた。
一度でも見せてしまえば、如何に改良しても七実に覚えられてしまう以上、その目を封じるのは七実との戦いでは必須になるわけですね。

七実が七花との戦いを求める真意を理解出来ていないとがめですが、七実の本当の願いは自分を殺してもらう事。

七花は柳緑花紅を最初に置いて最も隙のない組み合わせにする技を考えて修行の日々を送る。

鑢六枝が不承島へ島流しとなったのは、虚刀流を恐れられただけではなく戦国大名・徹尾家の娘である妻・鑢みぎり殺害の嫌疑を掛けられたとの事。しかし本当にみぎりを殺害したのが誰であるのか、それは霧の中……ならぬ藪の中。
少なくとも六枝ではなく、別の誰かによる仕業なのか。誰かによって嵌められたという事なのだろうか。

七花と七実の決戦はとがめの提案で刀大仏の前で執り行われる事となった。
予め同時刻に一斉に300本の蝋燭が燃え尽きて消えるように細工をしていたとがめにより、決闘の開始と同時に明かりが消えて七実に技を見えないようにしてしまう。
柳緑花紅・鏡花水月・飛花落葉・落花狼藉・百花繚乱・錦上添花・花鳥風月の順番に繰り出す七花八裂(改)が決まり、倒れた七実から悪刀・鐚の蒐集に成功する。
屋外では夜でも多少の明かりがあるから、室内で一瞬にして暗闇を作る必要があったわけだな。最初から真っ暗では相手に見抜かれるし、何より七花だって七実の位置が判らないわけだから。
さすがの七実も見えない中では避けられなかったのか。七実なら暗闇の中でも気配を感じ取って避ける事ぐらいは出来そうなものだが、わざと攻撃を受けたのだろうか。

だが尚も立ち上がる七実。
彼女にとって見稽古も、悪刀・鐚も自分の命を長らえるためにわざと弱くなる術だった。
もはや争う理由などないと戦いを止めようとするとがめに、七実は離れた位置から彼女の髪の毛を切り落としてしまう。
なんか判りませんが、気のようなものを使ったという事ですか? それとも風圧で切り裂いたという事なのだろうか。
七実は虚刀流やその他の技が無くとも本来は戦えたわけだ。

とがめに手を出した七実に怒り心頭の七花は遂に全力をもって七実と対峙する。
一進一退を繰り広げる両者。七花は七花八裂(改)を繰り出すが、七実はそれらの技さえも防いでいく。だが、七実の身体はは自分自身の本気の力に耐えられない事を、七実は承知していた。
七花の『蒲公英』で七実の胸を貫く。
強すぎる力と弱すぎる身体というアンバランスさが七実の最大の弱点であったわけか。
純粋に虚刀流だけで戦っていれば七花に負ける事は無かったのかもしれないが、敢えてそれを捨てて全ての力でぶつかったのも、最後に全てを出したかったからなのか。
全力を出せば死ぬのが判っていながらも使ったのは、相手が七花だったからこそ、なんだろうな。

自分も虚刀流の1人だったのだと悟った七実。
――よくぞよくぞ……
「よくも私を殺したな」
――あれ、噛んじゃったかな……
そして燃える盛る寺の中、七実は七花の胸の中で息絶える。
最後に褒めるつもりが、何故か恨み言を残して散った七実。どちらが彼女にとっての本心なのか。姉としては前者で、刀としては後者なのか……

七実が殺されたかったのだと知ったとがめ。
天才であるが故にその力に耐えられなかった七実の身体。
六枝には「殺されても良い」と思い、七花には「殺して欲しい」と願っていた七実。
それでも、七花は彼女を殺したくは無かった。
七実が死にたいと思っていたとしても、生きていて欲しいと願うのは弟として当然の想い。それでも殺すしか無かったのは、弟としての思いよりも、とがめへの想いと刀としての使命が上回ったからか。

姉殺しという罪を背負い、七花はとがめと共にいよいよ尾張へと向かう。

エンディング後の幼い姉弟の姿が切ねぇ。

次回 第八話「微刀・釵」

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